等、色々なものが詰め込まれています。やや地味かもしれませんが、静かにでも何かが伝わってくる映画だと思います。
主人公のピートは独身で気ままに生きているカウボーイです。ピートの行動は、メルキアデスの死が「ただの不法移民の死」と扱われた怒り、親友を「死」「殺人」に突然取り上げられた事に起因するかもしれません。ピートにとって真実は「メルキアデスの言葉」であり現実は二の次で「友情とは信じること」と体現するピートに感動します。悲しみを「号泣」、怒りを「声を荒げる」など安易な表現は使わず、主人公の行動、旅の終わりまで見届ければ、彼がどんなに怒り、悲しんでいたか、孤独かも伝わってきます。
全体として「孤独」な登場人物が多い印象です。1つ1つのエピソードが日常にある孤独を感じさせます。例え2人で暮らしていても、心が通っていなければ1人と一緒であるとか、そういう孤独です。
国境警備隊の男性は「不法入国者」を「不法入国者」という枠でしか認識した事がありません。自分と同じ「人」である、感情がある、等を考えたことのない想像力の貧困な人です。ただ、彼は悪人ではなく、普通にいそうな人なのです。彼はこの贖罪の旅を通じて、「不法入国者」も同じ人間であること、命の重さ、ピートを孤独にしてしまった事・・等に気づきます。私たちも旅を通じて国境は人が作ったモノで、あっちとこっちで同じ人間が住んでいる、と改めて考えさせられます。
色々書きましたが、決して暗い映画ではなく、笑えるところは笑えるし、割と淡々としています。美男美女もおらず、悲しい時でもふとした拍子に笑えてしまう、そういう日常にあるアイロニーがそのまま描かれています。
隙が無く、自然に伝わってくるモノもあり、これは優れた作品ではないでしょうか?大ヒットはしないでしょうが、観た人の感想を是非聞いてみたい作品です。