俗にいう女性が主人公の米国サスペンス小説。女性作家による(例えばパトリシアコーンウェルの検視官シリーズ等)、女性が主人公の名シリーズは数あれど、Jディーバーが絶賛、そして私が敬愛してやまない児玉清さんが賞賛したシリーズが理由で読んでみました。
主人公は心理検死官という精神科の医者であるジョー・ベケット、物語のながれとしては、主人公が飛行機の中で暴れた記憶障害の男の対応の依頼を受け、物語はそこから徐々に速度を増して、結末まで展開していきます。ディーバーの一連の作品群のような、どんでん返しの連続とはいきませんが、作品の組み立ては精緻で上手いと思います。(この作品は、主人公以上に、敵方登場人物:イアン・ケンナンの描写がお見事です。)予想外の結末で、こう来たかと、唸ってしまいます。読むものに語りかけるような、丹念にまとめた、キリッとした文体は私好みです。山田久美子さんはいい翻訳家ですね。ディーバーファンには推薦できるでしょう。今回、シリーズ2作目から読みましたが、1作目も読んでみようと思います。