2001−2009に各種媒体に発表された作品をまとめている。
タイトルにもなっているメモリーズは渓流魚の物語、著者の自然への愛着の深さが感じられるし、フライフィッシャーとしての渓流への思い入れが綴られている。堰堤やら砂防ダムという魚にとってまったく無意味(時に無駄な公共事業だと私は考えているが)な存在を魚の視線から呟いてみせる。
読んでいて、ふと古い本であるが「岩魚と老人」を想い出した。
我が町は縁なりき
あまり深読みはいけないとは思うが、現実に起こった、あるいは起こりうる閉鎖社会での事件を題材にしている。自然より貨幣という世の中の流れ、その貨幣という絆だけで繋がっている地域社会。 2011年に国民の多くが気がついた原子力ムラの構造とあまりに共通点が多い。
作品は下記の6篇
メモリーズ
やえんぼう
壁
阿佐ヶ谷ガード下物語ー銃声
我が町は縁なりき
天国への扉