探検のツワモノである著者が一般の方々から記憶探しの依頼を受けて、世界中を飛び回りその足跡を辿るという異色のバックパッカー本です。
こういった企画をするという発想自体がニッチであり、本書のおもしろさはこの旅のプロセスにあります。
本書に出てくる記憶探しの依頼内容は他人からみれば、そんなに固執するようなものでもないですが、依頼者にとってはいつまでも記憶に引っかかるとても印象深いことであり、それを著者が真摯に受け止めて目的を敢行するといったところに旅の意義があるようです。
ただ、多少はシャレがかっているようですが、単に見つけた見つけないだけの結果に留まらず、記憶を辿る旅のプロセスでは苦労があり、笑いがあり、みごとに探せるかどうかという不安とのこころの葛藤や落ち込み、行き当たりばったりのサプライズがありで、それらに関して数々のエピソードが実によく描かれています。
しかも単なるおふざけのネタ本に終わるのではなく、訪れた国々の社会的背景や現地事情をきっちりと説明してあり、まじめな取り組み姿勢が伺えます。