「メビウスの帯」をキッカケとして、幾何学の持つ様々な不思議・魅力を描いた本。学問的探求ではなく、直感的に面白さを演出してくれるので肩が凝らずに楽しめる。
「メビウスの帯」は裏と表の区別が付かない面(3次元の閉曲面)であり、その感覚的面白さ、哲学的意味合いから、良く芸術作品にも取り上げられてきた。"だまし絵"で有名なエッシャーも取り上げているし、日本でも連城三城彦氏が「メビウスの環」というそのものズバリの作品を書いている(私は「環」の方が馴染みがある)。そして、「メビウスの帯」をキッカケに結び目理論、フラクタル理論、4色問題、ペンローズ・タイルなどの問題が豊富な図例を基に解説される。双曲面理論となると、実は相対性理論に繋がるものだが、宇宙の構造のモデルとして平明に説明される。
まるで万華鏡を覗き込んだかのように様々な幾何学的形状が楽しめる、遊び心満載の良書。