ロシアのゴーリキーに生まれ、日本を中心に活動しているイリーナ・メジューエワによるメトネル作品集の第2弾。
師のウラディーミル・トロップとともに積極的にメトネルの作品を手がけている。
ニコライ・メトネルは1880年生まれのロシアの作曲家兼ピアニストであり、そうした点はラフマニノフ(1873年生まれ)やスクリャービン(1872年生まれ)とも共通する。
実際、ラフマニノフは作曲家メトネルを高く評価し、彼の作品をよく取り上げていたという。
だが、メトネルの作品は当時にあって異質なほど保守的とも思われる。
そうした点で、いっとき忘れられた作曲家のようになっていたのだと思われる。
古今のメトネル再評価は、CDレパートリーの裾野が広がったことも大きな要因だが、これらの楽曲をとりあげてきたピアニストの功績も大きいだろう。
メジューエワの演奏はたいへん共感豊かなもので、曲想が堅実に活かされている。
また、楽曲の規模も適当であるため、親しみ易い。
冒頭曲の揺れるような伴奏から紡ぎ出される情緒豊な旋律などなかな得難いもので、ロシア的な情緒を感じる。
この第2集に収められた楽曲には、どことなくシューマンの幻想小曲集を思わせる作品が多く、そのことも親しみやすさを感じる一因になろう。
メトネルは「ロシアのショパン」と呼ばれることがあるが、それは生涯の作品のほとんどがピアノのための作品であることから来ていると思う。
微熱を含んだ連綿たる情緒と、時折奔放に流れるさまはシューマンに近いのだ。
録音の少ないジャンルだけに貴重な1枚でもある。