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メディチ家 (講談社現代新書)
 
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メディチ家 (講談社現代新書) [新書]

森田 義之
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

日経ビジネス

ルネサンス生んだ パトロン一家の 明と暗を描く
メディチの名前が与える印象は明るくない。中世イタリアの都市国家における覇権争いが寝技専門であったように、メディチ家にとっても目的達成のための買収、裏切りは日常茶飯事だった。マキャヴェリズムの語源となった権謀家、マキャヴェリもメディチ家の外交官だ。

名作「第三の男」の中でオーソン・ウェルズ扮するハリー・ライムが「メディチはルネサンスを残したが、スイス300年の平和は鳩時計だけじゃねえか」とうそぶく。謀略に彩られても文化に足跡を残したというのが西欧人の抱くメディチ観だろう。

ハッキリわかるメディチ家の歴史は約500年におよぶが、重要なのは15~16世紀である。この両世紀にフィレンツェ、さらにトスカーナ公国の実権を握り、武力ではなく文化の力で欧州を圧倒した。

メディチ家の中で出色の人物、コジモ1世がフィレンツェの支配者としてビッティ宮殿に移る時、迎賓用の室内は、それぞれ著名な先輩の名場面の絵画でかざられた。そこに描かれたのは、コジモ・イル・ヴェッキオ、ロレンツォ・イル・マニフィコ、レオ10世、クレメンス7世、黒隊長ジォヴァンニ、そして当主のコジモ1世である。

メディチ家の歴史の前半は地方銀行が欧州第一の国際銀行へのし上がる過程でもある。金融機関もここまで大きくなると政治がらみとなり同業者の嫉妬も強くなる。メディチ家も再三失脚するがいつの間にか不死鳥のようによみがえるという歴史を繰り返した。

やがてメディチ銀行に斜陽の影がしのび寄ると政治そのものが目標になった。すでに枢機卿はおろか一族から法王さえ2人出している。法王レオ10世は贅沢の極みをつくし、その穴埋めに悪名高い免罪符を売り出してマルチン・ルターに新教建立のキッカケを与えた。

小国ではあったが、メディチ家は神聖ローマ帝国、フランスのヴァロア王朝と対等の姻戚関係を結んでいる。アンリ2世の妃カトリーヌ・ド・メディチはフランス王朝に文化を移入し、宗教弾圧「サンバルテルミの虐殺」を起こした。

このように、メディチ家の印象はかんばしくないものの、それを埋め合わせてあまりあるのが芸術に対するパトロネージュ(庇護)だ。建築、彫刻、絵画、文学、あらゆる分野に惜し気なく大金を散じ天才に腕を振るわせた。

ドナッテルロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ボッティチェリ。華ひらくフィレンツェである。産業化時代の20世紀が芸術的に何を生んだかといえば、不毛に近い。デモクラシーと芸術というテーマも考えさせられる。

(東洋信託銀行顧問 神崎 倫一)
(日経ビジネス1999/6/21号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)

出版社/著者からの内容紹介

勃興期の謎、富と栄光の黄金時代、そして君主・教皇への道――ルネサンスを演出した名族500年の興亡!

メディチ家の紋章の由来――メディチの紋章(金地に数個の赤い球を配する)の由来については、2つの説がある。ひとつは、「メディチ」(Medici)の家名そのものが示すように、彼らの祖先は医師(単数medico/複数medici)ないし薬種商であり、赤い球は丸薬、あるいは吸い玉(血を吸いだすために用いる丸いガラス玉)を表しているという説である。
もうひとつは、メディチ家をフィレンツェ随一の大富豪にした当の職業、すなわち銀行業(両替商)にちなんで、貨幣、あるいは両替商の秤の分銅を表しているという説である。
家名の本来の意味を考えれば、医師・薬種商の出身で、丸薬を意匠化したと見るのが自然であるが、13世紀以降の医師・薬種商組合の史料にメディチの一族が登録していた形跡はない。
しかし、一方、貨幣ないし秤の分銅を意匠化したと考えることは、銀行組合(両替商組合)の紋章と比較すると疑問が生ずる。なぜなら、銀行組合の小円板のモティーフは明らかに貨幣を意匠化したものだが、そこでは小円板はコイン状の平板な形状を示しているのにたいし、メディチの紋章では、当初からヴォリユームゆたかな半球状の球(パツラ)が並べられているからだ。――本書より


登録情報

  • 新書: 358ページ
  • 出版社: 講談社 (1999/3/19)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061494422
  • ISBN-13: 978-4061494428
  • 発売日: 1999/3/19
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
新書にしては、かなりの密度を持つ内容となっています。初期メディチの興隆からトスカナ大公断絶までに至る数百年を書き綴っていますが、それでいて飽きさせません。全体として大変よくまとまっていて読みやすいです。専門的な学者からの著述ですが、この方面に全く知識のない方でも十分読むに値すると思います。芸術家保護活動の説明がかなり多いのですが、残念ながら書物からだけではそれを十分知る事は出来ないと思います。もし文章に興味をお持ちになったら、絵画、文学、哲学、音楽などの実態をさらに追求してみるのもいいと思います。そのための参考にもなりますし、芸術のガイドとしての役割も期待していいでしょう。複雑なイタリアルネサンスの歴史に関しては、さすがにこの著者でも明快に説明するのには手を焼いたようですが、部分的に分けられていて、細かく注意して読んでいくと少しづつその詳細に迫る事になると思います。
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By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
イタリア史を語るときに欠かせないメディチ家の起源から断絶まで、500年の歴史を、新書としてはかなり分厚い360頁に及ぶ本文(芸術作品の写真や絵を含む)、6頁分の系図、7頁の年表で紹介する実に内容の濃い本である。メディチ家の個性ある人物の描写だけでなく、フィレンツェ、そしてイタリアの歴史を概観するのに非常に便利である。ただし、文章自体は読みやすいものの、事実の淡々とした記述に終始している感を受けるのが残念。扱っている年代の範囲は本書より限られているものの、読み物としての面白さは塩野七生氏の「我が友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡」の方がやはり作家の作品だけあって優れている。また、本書では全体の半分近くを同家のパトロン活動にあて、次々に絵画、彫刻、建造物が紹介されるが、写真つきのものは限られており、文章だけでこれら作品をイメージするのは困難。ルネッサンス、そしてフィレンツェの文化の大パトロンとして、後の富豪達の指針となった一族であるから、目のつけどころは良いし、芸大出身の著者らしい丁寧な解説だが、もう少し紹介する対象を絞った方がよかったのでは。また、政治家・貴族・芸術家の名前が多く登場するので、同じ名前の人が同一人物か迷うこともある。索引つきだとより読みやすかっただろう。しかし、メディチ家がフィレンツェ公、そしてトスカーナ大公として君臨した時代全体を扱った本を私は寡聞にして知らないので、本書が貴重な作品であることは間違いない。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
イタリア史?メディチ家?何も歴史について知らなかったのですが、2年前にイタリアに旅行に行き、ガイドの人がメディチ家が・・・という言葉が頭にひっかかっていて、(響きもどことなく良い感じだし・・・)何も知らない状態でこの本を読んでみました。

初心者でもメディチ家の事がよく分かる本だと思いました。この本をきっかけに他の関連本も何冊か読みましたが、この本がとても分かりやすいと思います。

分量は少々厚めですが、著者が日本人なので文章も翻訳とちがってぎこちなくないところが良いです。
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very useful book
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