反主流経済学者、金子勝が、以前にも共同作業をしているデウィット教授とふたりで「メディア」について論じた本。特に、日本よりもアメリカの巨大メディアの実態について詳しく述べてある。
のっけからいきなりこの本の出版元たるNHKへの批判が噴出するのでびっくりするが、以後はブッシュ=小泉ラインのメディア操作についてのだいたい予想される内容であり、すでにメディア研究についての知識のある方にとっては特に新味ある内容ではないかもしれない。個人的にもっとも勉強になったのは、石油についての記述の内容で、現在金子氏の予言通りに石油価格が高騰しつつあり、しかもそれが一時的には終わらない勢いをみせているのは、この本の分析の正当性を証明しているように見える。
しかし、この本を手放しで称賛するわけにはいかない。金子勝よ、あなたにはもっと他にすることがあるはずだ。本業の経済学者として、日本経済に適応可能な体系的著作をものする義務があるはずだ。もういい加減啓蒙書の出版に無駄な時間を費やすのはやめて頂きたいと切に願う。