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新書としての完成度から言えば、かなり高いように感じた。筆者が言うように5年分の取材を一冊にまとめるというのは、かなり困難に感じたからである。内容も現実の取材からのもの、という点から信頼に足るものであり、メディアリテラシーを学ぶには読みやすく、おもしろさも感じた。
しかし、旅行記のような写真や、論述はいかがなものでろうか。その分、取り入れる事の出来た情報はあったのではないか。また、英語のカタカナ表記が多い事が読みにくくさせていたようにも思えた。
この本は世間に見られるようなハウツー本ではありません。日本の状況などは全く触れず(気持ちいいほど触れません)、
北米やヨーロッパでの情報教育についてルポ形式で描写していきます。筆者も学びながらルポしているので、
いろいろな立場から偏らずに世界の学校での情報教育の有り様を伝えてくれます。ルポタージュは、とかくルポする人のバイアスが
かかってしまいがちですが、この本はとても安心できる書き方をしてくれていると思います。
情報教育を学校教育の正式なカリキュラムとしているところもあれば、そんなの勉強するくらいなら基礎教科を勉強しろ!
みたいな流れもある。情報を単純に批判するのではなく自分でビデオなんかを作りながら情報の出来てゆく様を知ろう、
そんな教育も行われている。そんな様子を丁寧に、本当に丁寧に追ってくれています。いい意味で裏切られた丁寧さでした。
外国の情報教育の様子を知ることで、自分自身の姿勢を微調整できる、そんな穏当な影響を与えてくれる本だと思います。
私自身、情報が出来ていく過程についてまだ考えが及んでいなかったな、と気づかされました。
「情報」について著す本として、よく気をつけて情報を扱っていると言えるのではないでしょうか。
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