1〜5章は、比較的マーケ初心者の方向けに、最近のメディアや広告主・消費者の進化や変化(ネットの台頭)、加えてマーケの基本的な考え方である「パーチェス・ファネル」のコンセプト等がまとめられている。
6〜9章「マーケティングROI」がテーマ。主にCMOや、購買部門の間接材責任者向けに、ROIをそもそもどのように検証するかから、効果を上げる方向、効率を上げる(特にコスト削減)、マーケッターに求められる能力等が語られている。明らかにCMOとかトップの人向けのニッチな内容で、(ガンガン金を使いたい)普通のマーケッターは興味を持てないであろう内容。
10章は、広告主やマーケッターという視点から、グーグルとは何がどのように革新的なのか、を論じてる。第11章は、ラジオや雑誌やテレビ等のメディアに対して、今後はどのような付加価値を出してどのようなビジネスモデルにしていくかを提言している。これは、メディア媒体の幹部向けの内容。第12章は、広告代理店のトップ向けの内容で、広告代理店は将来、どのような方向を目指すべきかを論じている。第13〜15章でも、インタラクティブ・マーケティングの手法、広告主側はどのようなマーケ組織が良いか、等の、これまた独立した内容を論じている。
読みやすい文体・装丁で、「ゼクシィ」や「日産スカイライン」、「小悪魔アゲハ」等のケースも豊富にあるので、それなりに楽しめると思う。
でも、あまりにニッチでなトピックが多く、各章で対象読者が違うのは、著者がコンサルとして携わった様々なプロジェックトでの知見を集めて本にしたんだろうな、と想像できる。というわけで、普通の「マーケ本」とは根本的に違う本なので、マーケ上の視点を増やしたい方や、上で挙げたようなマーケのトピックに関心がある方に「のみ」お勧めです。
でも、「マーケの基本を勉強しよう」というような方には、はなはだ不適な本です。読者をえらく選ぶということもあり、☆は3つのみ。