食品添加物,農薬,「化学物質」,環境ホルモンなどなど,
メディアには次々と危険なものがあらわれては,話題として消費され,
漠然とした不安感と風評を残して取り上げられなくなります。
本書はなにが本当に危険なのか,なにが現代人の半ば病となった「自然・昔崇拝」の風評なのかを示し,安易な扇動的記事の源を解き明かす好著です。
本書の安全と危険の判断は,全て科学的な論拠を伴う一次情報に当たってのことなので,
信頼度は高いと感じました。
レビュアーも一様理系で,農学系なのですが,「これは知らなかった,メディアに踊らされていたなぁ」と言うところが沢山ありました。
科学報道の危険性のところで,とても興味深かったのは,新聞が
「××が○○に危険性を認めた」
と報道して実際に○○に危険性が無かった場合,誤報にはならないという所です。
××が認めたという事は,事実だからということなのです。
(それで通れば,ジャーナリズムはいらないと思ってしまいますがね)
丹念にその後をたどれる様な取材姿勢が持てるようになるとすばらしいとは思いますが,
現実問題難しいのでしょう。
暮らしの恐怖心を煽るものに科学が落ちないように,著者の活躍を期待しています。