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メディアの流す情報に反する著者の意見をきちんと理解するには、
それ相応の知識が要求される。正直なところ、初めて知ったこと
が多くてショックを受けた。正しいか間違っているのかの判断は
現時点ではできないが、こういう意見もあるというのは知った方
がいいと思った。正しい事実を知るためにもっと情報を欲したく
なる本である。
また、特に後半からの辺見氏とのインタビューが面白い。1年以
上前に書かれたものにかかわらず、イラク戦争が起こること、ま
た戦争後のイラク新政権がどのようなものになるかなどを語って
いるが、イラク戦争のみならず、イラク戦後!の政権についても、著
者の言う通りになりそうな気配である。アメリカによる「宇宙の
軍国化」や、他人事のようにインタビューしている辺見氏(日本
人)への問題提起など、知識人にもかかわらず、こうも堂々と一般
常識に反する事を書いてのけるチョムスキーはすごいと思いま
した。
本の後半に収められている対談での締めくくりに彼の放った一言が心に残った。
「他人の犯罪に目をつけるのはたやすい。東京にいてアメリカ人はなんてひどいことするんだといっているのは簡単です。日本の人たちが今しなければならないのは、東京を見ること、鏡を覗いてみることです。そうなるとそれほど安閑としてはいられないのではないですか」
150ページ程度の薄い本だが、その内容を理解すれば、大きな価値になる。
もっとたくさんの事実を求めて色々な本を読みたくなるのではないだろうか。
彼の狙いはそこかもしれないと思った。
読み終えて、自分自身を振り返ったとき、自分は偽善者の仲間でないと言える人はいるだろうか?
「知的誠実さと行動する勇気をもつこと」
チョムスキーは一貫してこのことを訴えている。彼独特のアイロニカル
な論調ではあるが、最近のイラク戦争をめぐるデタラメに接した直後で
あるだけに、読後感はとても爽やかである。
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