60ページ余りの薄い冊子なのだが、多くのリサーチをもとに国内ならびに海外の市民メディアについて報告している。内容は体系だっており、情報が密でありながらも読み易い。
「自ら主体的に情報を探し、取捨選択をし、行動につなげる人」(P2)は1000人に1人程度という。ネットの普及と言っても、所詮は娯楽や便宜を求めての利用が大半のようだ。私はインターネットのヘビーユーザだが、この事実は知らなかった。皆、疑問が生じたら自分からその回答を求めるのかと思えば、そうではない。発信される情報を受け身に感じ取り、事実確認をせず好き嫌いかで判断を行う。また「実際に2009年 ... シングルマザーのほとんどが日頃パソコンを利用しておらず、テレビと携帯電話に頼っていることがわかった。携帯電話も通話かメールが中心で、ウェブサイトにアクセスすることはほとんどないという。」(P21)という事実もショッキングそのものだ。デジタルデバイドというが、使いこなせても、アクセスがあっても、そもそも情報を入手して活用しようとしないわけなのだ。
人類がこれほどまでに自分の考えを確認し、そして意見を拡げる手段を手に入れたのは始めてなのだ。そうした事態をしっかりと受け止め、社会に対する自らの役割を見直そうではないか、というのが読了後に感じた著者のメッセージの一つではないかと思った。