2009年に若くして没した氏の、「虐殺器官」「ハーモニー」の間に位置する隠れた長編作品。
急激な勢いで老化する伝説の老兵の最期と、彼を取り巻く「戦争」について語られた物語。
元となったゲームは老兵スネークの立場から語られて行くが、小説は彼の親友である科学者の立場から語られて行く。
人気ゲームのノベライズであるが故に、過去作を経験していないと分からない用語なども多々あり、確かにこれ単体で物語を把握するのは難しいと思われる。
が、それで食わず嫌いしては勿体無い。
ありきたりな言葉では語られない「戦争」と「平和」、「運命」、そして「死」。
とても複雑な世界で、己の運命に翻弄されつつ、しかし何かを変えて死んだ男の物語。それは、僅か二作で小説の世界を広げ、しかし呆気なく死んでしまった作者の姿と重なる。
氏、そしてメタルギアシリーズのファンのみならず、現代で生き方に迷っている人達に是非読んで頂きたい。