ゲーデル・エッシャー・バッハ(GEB)を書いたホフスタッター氏が雑誌に連載していた様々なコラムを再構成し、いくつかの章を補完することで1冊の新たな本にしたのが、このメタマジックゲームである。これも2005年に再販されていた。古典であっても、優れた本は息が長いのだと実感した。
科学と芸術の様々な分野に興味のある彼が、こんどは様々な形のフォント(タイポグラフィー)に絡めながら、人工知能や自己言及、Lisp、生物と精神、認知、ショパンの数学的パターンなどを綴っている。
元々がコラムであったことから、GEBより一貫性や複雑性は少なく、話が分散しがちである。ただし、それは複雑な構造のGEBよりも取っつきやすい利点もある。
認知とフォントの関連で言えば、アルファベットをの「A」と漢字の「黒」を例として、これらを本当にめちゃくちゃな書き方で書き、それでも人間はA・黒と認知できることを示したり、TimesRoman似のフォントが少しずつサンセリフに変わっていく文章で、フォントの違いはどこにあるか境界を引けないような例を出したり、楽しいエピソードで溢れている。(漢字圏以外の読者が様々な形の黒という漢字を見て、これが同じ字と認識できたかどうかは楽しい疑問である)
これまた脳みそぐーるぐるの世界へスリップするにうってつけである