田中'扮する堂々たる卑弥呼ママと、陽気なゲイたちの終の棲みかであるはずのメゾン・ド・ヒミコは、欧風なおしゃれな外観とは裏腹に、内実は老いと病と資金不足の三重苦にあえいでいます。そしてそこに棲んでいる生息者たちの個性あふれる面々・・・ちょっと憂いを帯びた春彦・・ファンではない私をも惑わすほどのオダギリジョー扮する春彦・・・本当にステキです。その憂いは撮影当日の風邪ひきにあるとかないとか・・・!そして、きゅっと上がったかっこいいお尻と無精ひげが妙にエロチックな雰囲気を漂わせて、ゾクゾクするほどのいい男に仕上がってます。その対極線上にある柴崎コウ扮する、ぶっちょう面のどこにでもいそうな愛想のない事務員 沙織。これは柴崎コウが見事に演じきっていますね。
原色大柄花模様に決して負けない、強烈な個性が光る田中眠の吐息が聞こえてきそうなほどのリアル感あふれる映像美が退廃的なムードをうまく演出しています。そそいて、ストレートの男はこんなにも色気がないのよ・・と言わんばかりの西島秀俊扮する、能不動な何も考えないノータリン社長も・・作品に花?を添えています。
そして、観終わった後の清清しさは、一体何なんでしょう?オダギリジョーと柴崎コウの妙を得た組み合わせと脚本のうまさが、いつまでも心に残る映画です。映画館で一人、作品に浸りきって観たかったですね。