毎年のことではあるが、相変わらず日本人選手の過大評価が目立つ。特に松井秀喜のミート、パワーの評価が5段階評価でどちらも5であるのはいささか無理がありすぎるように思う。
去年のものから特に大きく変化したような作りではなく、ページ数は多いが内容には乏しいと言わざるを得ない。
参考までに、よい点と悪い点を列挙しておく。
●良い点
・投手ならホーム防御率、ビジター防御率、対左右非打率のデータ。野手ならホーム打率、ビジター打率、対左右打率、得点圏打率。
キャッチャーの盗塁阻止率データ。
・野手のポジション内訳の表示。
・選手のエピソード(後述するがこれはマイナスポイントでもある)
●悪い点
・文章が冗長かつ殆ど中身がない。正直言ってWikipediaを見ればすむようなレベルの情報が、長々と書いてあるだけ。
・メジャーリーグでは非常にポピュラーであるセイバーメトリクスを全く引き合いに出さないので、主観的な評価になりがち。
・シーズン途中に移籍した選手の場合、その成績が年トータルではなく、各チームで残した成績しか掲載していないので、非常に見づらい。
・日本人選手はだいたい1ページ使って紹介されている(実績がない選手であってもスター選手と同じページ数)。
・新人あるいはキャリアが浅い選手の評価が、データが少ないせいなのか適当。
メジャーリーグを語る際、もはや必須とも言えるのがセイバーメトリクスのデータであるが、今年になってもこの名鑑はそのデータを用いようとしていないので、時代遅れ感が否めない。いや、参考にはしているのかもしれないが、文章中では全く触れられないのである。
共通でBABIP、投手ならFIP、xFIP、野手ならUZR、DRSは用いて欲しいと思う。
例えば、ある選手の守備範囲が広いと記述したいとする。これを証明する際にはUZRを用いればよいのだが、それを用いないので、何をもってして守備範囲を広いと言っているのか、筆者の主観的な評価に見えてしまい、読者に誤解を与えかねない。
ただ、レイズのプライスが自分の愛車にファンの男が小便をひっかけているのを見てしまったがそれを許した、とか、ジャイアンツのリンスカムの父親は52歳になっても142キロの速球を投げていたとか、そういった面白いエピソードがたまに載っていたりする。なので、ヒマつぶしにはいいかもしれない。
ただ、これに1785円も出す価値は、私はないと思う。正直言ってお勧めはできない。