ロバート・ホワイティングさん。前作『サクラと星条旗』でその名を見たときには、私に
とっては『菊とバット』以来の再会でしたので、えらく懐かしい名を見た気がしましたが。
この御仁、客観性の怪しい事象でもたいていのことは断定調で言い切ってしまいます。
また自己規制が厳しいであろう現在、表記がはばかられるような表現でも平気で活字にして
しまいます。データなどを駆使して客観性を確保するのではなく、自分の経験を信じて自分
の思うところを表現する、古き良き物書きさんといった印象ですね。今時の優等生然とした
文章を書く方ではないですし、正直信用性に乏しいネタもあります。ですが、良い悪いは
ともかく、いまだに80年代前半のようなスタイルを貫き通していることは、それはそれで
面白いものです。
本作は『サクラと星条旗』のような時事ネタではなく、著者自身が見てきたメジャーリーグ
の歴史を振り返りながらコメントを加えていくエッセイです。皮肉混じりの文章が楽しい。
それにしても前作に引き続きのメジャーリーグ嫌われ者ネタ。登場する名前も前作のそれと
ほとんど変わりませんが、余程自分の思いを披露したいのでしょうか?
ホットドッグでも囓りながら読みたくなるような、とても気軽な本です。