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10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
DNAネタのSFとしては良作です,
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レビュー対象商品: メシアの処方箋 (ハルキ文庫) (文庫)
DNAだとかヒトゲノムだとか遺伝子操作やらも、SFのネタとしてはすでにやり尽くされて手垢がつきまくった感がありますが、そのテーマを扱った国内作品のなかでは、久々の佳作といえるのではないでしょうか。ヒマラヤの氷河湖から浮かび上がった「方舟」から発見された大量の蓮華模様の木簡。それを巡っての謎解きはやがて「救世主」を生み出す危険な実験へと…。 序盤の流れから世界を股にかける冒険小説かと思いきや、途中からはやけにドメスティックなシチュエーションでの展開でやや尻すぼみな感もありますが、リアリティと荒唐無稽さのバランスはよく、文体も平易でこの手の小説にありがちな専門用語の羅列・理論一辺倒の記載にウンザリさせられることもないので、本格SFとしてだけではなく、エンターテインメントとしても楽しめるいい小説だと思います。 また、この手の主題ではどうしても宗教や倫理の問題に触れざるを得ないのですが、これについては議論してもキリが無い部分ですので、作者はある程度から先はもうストーリー展開優先でお話を進めていく手法をとっているようです。そこに不満の方もいらっしゃるでしょうが、まあこれは読者が各自考えてくれということでしょう。 それなりのページ数と読み応えがある本なので、時間のあるときにじっくりと読んで楽しむのがいいでしょうね。
5つ星のうち 4.0
研究者のサガを思い知らされる問題作。,
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レビュー対象商品: メシアの処方箋 (ハルキ文庫) (文庫)
前作「神様のパズル」では量子力学、素粒子学など作者のバックボーンである理論物理学でテーマでしたが、今回は分子生物学。ヒトの全ゲノム情報が解析されたのが丁度2004頃だったと思いますので、タイムリーだったのでしょう。未知なる存在から託された暗号の解読、科学者であればだれでも知りたいという欲望にかられしまう。そして、そのとき倫理という問題はスルーされる。社会倫理というのはかわっていく物ですし、いくらでも跡づけされますから、万難を排して謎解きに挑むロータスの行動はよくわかります。事実、遺伝子操作技術の進歩から、デザイナーズ・チャイルドの作成は可能な段階にあります。(ゲノムレベルで作り替えることはできませんが、複数の遺伝子を置き換えることは可能)しかし、正体もわからない遺伝子を組み込んだ人間を作るというのはさすがに狂気の沙汰ですね。「ローズマリーの赤ちゃん」を思い出しました。体の中にクリーチャーを取り込んで、正気でいられる女性という存在に畏怖を感じます。ただ、作り出したクリーチャーに救済や癒しを求める気持ちは理解できず後半のドタバタは滑稽でしたが、SFエンタメ作品としてよくできた良作だと思います。
8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
興奮,
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レビュー対象商品: メシアの処方箋 (単行本)
興奮しました。SFらしさを満喫できる作品でした。ちょっと甘い(?)ところもあったような気もしますが、パワーで圧倒してきます。予想不能なストーリー、登場人物のユニークさ、謎の興味深さ、荒唐無稽さで、途中で読むのを止められなくなり、夜なべして読んでしまいました。 木簡の謎を追う知的な興奮、主人公の運命、などストーリーでの興奮・・・読んでてワクワクする本でした。同時に、人間とは何か、救いとは、自分が人であるとは・・等考えることを、投げかけてくれる本です。 といっても、堅苦しく、重い本ではなく、一つ間違えば「わるふざけ(?)」ぽくなるユニークさが、読むのを、楽にしてくれてます。 ちょっと難しい科学的な内容も出てきますが、ま、そんなものは、パワーで圧倒です。
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