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メサイア 警備局特別公安五係
 
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メサイア 警備局特別公安五係 [単行本]

高殿 円
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

超軍縮時代に突入し、水面下で熾烈な情報戦が繰り広げられる世界――。対スパイ殺人権をもつ特公五係、通称“サクラ”の候補生・海棠鋭利と、その相棒・御津見珀は、総理大臣の息子の護衛を任されるが……。

内容(「BOOK」データベースより)

超軍縮時代に突入し、水面下で熾烈な情報戦が繰り広げられる世界。対スパイ殺人権をもつ特公五係、通称“サクラ”の候補生・海棠鋭利と、その相棒・御津見珀は、総理大臣の息子の護衛を任されるが……。

登録情報

  • 単行本: 349ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/12/25)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 404874156X
  • ISBN-13: 978-4048741569
  • 発売日: 2010/12/25
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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私は、アクションものの中でも特にこういった裏世界の話は結構好きだ。
福井晴敏は大好きだし、手嶋龍一さんのウルトラ・ダラーは素晴らしかったと思う。ちょっと違うがヤングガン・カルナバルも面白かった。
そういった視点からレビューしたいと思う。

本作について、まず手嶋さんの「ウルトラ・ダラー」や、元CIA局員が描いた「CIAは何をしていたのか?」のようなリアリティある情報戦ものを期待しているのであれば、買わない方がいい。
リアルな模写を書こうと思うなら、(情報戦の)業界用語・・・フラッシュとか・・・だけでなく、インテリジェンス・オフィサーとはそもそも何なのか?の勉強が必要だと思う。

本作品はいたるところで”スパイ”という単語を連発しているが、本作に本当の意味での”スパイ”は殆ど登場しない。
日本人にはスパイ=007やイーサンハントのイメージがあるので当然かもしれない。
”スパイ”の本業は「あの手この手を使って情報を収集し(その過程として、不要となった情報提供者の切り捨てはある)、時にその情報をインテリジェンス化する」ことのはずだが、そういった模写はかなり少ない。
ウルトラ・ダラーの主人公のような、人脈を通じてインフォメーションを収集し、それをインテリジェンス化して一つの答えにたどり着くというじわじわとしたスパイ像はこの作品には一切無い。
正直、物語中盤で誰が黒幕なのかわかってしまって興醒めした。
いたるところでスパイが強調されているこの作品において、著者がどういうものとしてスパイを描きたかったのか、甚だ疑問である。

リアルなスパイ像を描いてしまうと、一般受けしなくなるのはわかる。私のような”マニア”でなければ、面白みを感じないだろうから。
が・・・それならばそれで、もっと007のような、そこまでいかずともヤングガン・カルナバルや攻殻機動隊のようにリアリティよりもアクションに重点を置いてしまった方がいいような気もするし、福井晴敏のようなリアリティとアクションの絶妙な融合を目指しても面白かったと思う。
本作はそういう意味で、非常に中途半端である。

ビンラディン殺害事件を見てもわかるように、”暗殺”は主として軍の特殊部隊によって行われる。
作戦計画にCIAやNSAがからむ事はあっても、直接手を下すのは”プロ”か、もしくは完全に切り捨て可能な現地雇用者が殆どだ。
「虐殺器官」のi分遣隊や、福井晴敏のDAISやSOFは、そういった点で一定のリアリティを感じさせてくれる。
(ただ、事故らしい暗殺を強調している点は、評価してもいいと思うが。)

であるから、いくら軍縮が進み警察の権限が増大している世界と言っても、闇の警察官が暗殺しまくるというのには何のリアリティも感じない。
どうせなら、設定として”警察”を一切排除して、内閣直属の暗殺機関にしてしまった方が良かったのではないか。

一方で、本作のテーマは防諜だが、その部分を書くなら、TVドラマにもなった「外事警察」の方がリアルだ。
防諜=暗殺という変な固定観念があるのだろうか。防諜は何も対象を始末するだけでなく、偽情報を流したり逆に利用して情報提供者に変えたりと手段はさまざまのはずだ。それに、なにも防諜は国内だけでやるものではない。

あと、主題であるはずの”メサイヤ”の意味がはっきりわからなかった。
”メサイヤ”は例外というが、なぜ”メサイヤだけは例外”なのか?特殊部隊で言う”バディ”のような存在なのか?
読みとれと言われればそれまでだが、正直もっとメサイヤで色々発展していくのかと思っていた。
”メサイヤ”だけでなく、全体として人物同士の絡みが少なすぎるように感じる。もっと、相互関係に注意を払ってもよかったのではないだろうか。

結局、読み終わってから著者が何を伝えたいのかさっぱり分からなかった。
まったく架空の日本(皇歴)を作り上げるなら、現代日本に対する批判は当てはまらない。
批判したいのなら、やはりもっとリアリティが必要である。かといって、心に響く人物葛藤の模写も殆どない。
肝心の批判内容も、正直に言うならかなり”薄っぺらい”。自分が高校生時代に考えていたような内容だ。
批判するなら、福井晴敏のような捻くれていて斜に構えた批判をしてもらいたい。
”薄っぺらい”ままでいくなら、もっと痛烈感がほしい。「僕はイーグル」の方がもっと痛烈に批判していた気がする。

まとめとして本作品は、虐殺器官のような「人間性」を考えさせられる作品ではないし、福井晴敏ワールドのような「理不尽な現実に、熱いオッサンとクールな青年コンビが立ち向かい、未来を切り開く」という絶望からの回帰も感じない。
ましてや、ウルトラ・ダラーのような「情報戦の奥深さ」を知る作品でもない。

果たして、著者は何を伝えたかったのだろうか?単に私の読解力不足なのだろうか。非常にもやもや感が残った。

ただ、最後のちょっとしたどんでん返し(というか開き直り?)は、個人的には好きだった。しいて言えば、この開き直りこそ著者の伝えたいことだったのかもしれない。この開き直りをもっと生かせた気がして、もったいないと思った。

日本でスパイものを書ける人間は少ない。せっかく購入したので、著者の今後に期待して☆2
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By INAVI トップ1000レビュアー
筆者の作品を読むのは「トッカン」以来だが、一定レベルの実力があることは再び認識した。しかし、本作に4つ★以上をつけることはどうしても出来なかった。
個々の場面や人物設定また作品全体の構成など「巧く出来ている」と思うし、「ここが酷い」という点まではない。

ただ、「書きたいことはそれだけなの?」という物足りなさを最後まで拭えなかったのは事実。
多くの登場人物のみならずナレーション?までがモノローグ的に語る現代日本への批判めいた内容は、それを主題と云うなら、あまりに月並みで「巧い出来」と釣り合わないのである。
そもそも、作品世界を皇記●年というパラレルな時代においているように、ここに登場する組織や世界は現実のそれとは繋がらないリアリティの薄いもの。そこに立脚して現実を批判するには、この作品世界は薄いものだ。
それと、「巧い出来」も破綻がなさすぎて、「どこかで見た聞いた」という批判とスレスレの部分もある。マンガとかドラマのノベライズと思う人もいるかもしれないだろう。乱暴にいえば、テレビドラマのSPの延長線にしかない、小説としての独立性が薄いのである。

拙い技量で大口を叩く作品よりは出来がよいので、相対評価では4つ★とも思わなくないが、筆者への期待をこめて★3つにとどめた次第。
それにしても、一部登場人物の描写や場面が何度か重複した部分は、何の意図があるのか、一番分からなかった。
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By ぎょ
海棠鋭利はもうすぐ17歳、小学校の頃に鋭利の家族を襲った惨劇以来まともな生活から離れて育ち、今は国家公安委員会、特別公安五係、通称サクラの正式な一員になろうとしている。
養成学校、通称「マル校」では寮は相棒と同室になる。この相棒が、「メサイア」。ひとたびサクラとなれば国の捨石となって、相手国に捕まっても誰も助けてはくれないけれどメサイアだけは救出活動をしてもよい。という設定。

世界の超軍縮や、殺人権を持たない警察や軍の代わりに暗殺活動をするサクラ、救われないサクラのためのメサイア。設定は面白いし主人公の鋭利は突っ張ってなくてカッコイイ。他国のスパイを冷静に始末した後自転車で山奥から帰ったりするところが面白いなと思いました。
そのままメサイアの相棒と何らかの信頼関係を築いたり反発したりするのかなーと思いきや、話は急展開。首相の息子の警護や北のわけアリ諜報員とのやりとり、サクラの解体危機などに話が広がり盛り上がって終わりました。終わり方もキレイなもの。めでたしめでたし。

せっかく設定が面白いので、もう少しメサイアについて色々あったらな。相棒ももう少しカッコイイところを読みたかったです。せっかく一般(?)の同世代高校生の警護についたのに、二人のやり取りもアッサリ。もう少し何か、荒削りでも臭ってもいいから著者の萌えを感じたかった気もします。
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