日本人はマゾだと思う。労働基準法がどうのこうのよりも、問題はそんなとこ
ろにはなくって「日本人がマゾ」なことに根本原因があるような気がしてならな
い。法律を盾にとって争って得られる休暇やスズメの涙の昇給よりも、「俺こん
な過酷な状況で頑張ってるんだぞどうだすごいだろえらいだろ」を優先するこの
発想が今の労働環境を働いたら負けたらしめているんではないか?
という持論を持っていたが、筆者はどうもそれを認めたうえで「じゃあ『日本
人として』もっと労働環境を良くするにはどうすればいいか考えようぜ」という
、ベストではなくベターを求めた方がいいんじゃないのとこの本を介して言って
きた。証拠に、一見物語の縦筋から浮いているような素振りを見せる浪花節さな
がらの論争も、勧善懲悪という日本古来のお約束を巧く使って解決法を提示する
と共に、相手側の情状も酌量してやるという懐の深さを見せるための一種の舞台
装置としての役割を果たしていたのかなと読後に感じた。
・・・この本に限って言えば、二匹目のドジョウは居たらしい。