作者のポール氏は映画の製作時から現場でブレードランナーを見つめており、映画完成時から今日に至るまで作品の経緯をつぶさに記録してきた人物である。25周年のファイナル・カットの発売を記念して1997年に発売された「メイキング・オブ・ブレードランナー」に加筆した本。とにかく600ページ以上と辞書のように分厚く、ほとんどが文字なので読み応え十分。これは単なるメイキングというよりは「ブレードランナー」の歴史書と言えるだろう。今回のDVD発売の経緯、なぜ5枚組になったのか?など、勿論製作当時の話もたくさんあるが、特に25年を経てハリソン・フォードがブレードランナーについて語る20ページ近い章は非常に面白かった。電話インタビューという形であるが、ただの愛想話ではなく緊迫感のある会話内容で記録としての価値が高い。2時間ほどの1本の映画が完成するためにはこれ程の多くの人々の関わりや経緯があったのかと改めて思うと映画をもっと深く味わなくては申し訳なく思う。ブレードランナーのファンは必読の内容。作者が30周年をほのめかす文章もあり、後5年後には新たな記録が加えられるかもしれない。ブレードランナーに終わりはない…。