定評あるスーパー・トロンボーンの演奏ですので悪いはずはありません。この軽やかさ、スウィング感がたまりません。
4本のトロンボーンとピアノ、ベース、ドラムスという7人編成のコンボでこれだけ豊かなジャズを演奏できるなんて驚きです。デビッド・マシューズの素晴らしいアレンジとミュージシャンの卓越したテクニックのたまものでしょう。
演奏したこともあり、よく聴いているグレン・ミラーの名曲がまた違った魅力を伴って現れたようです。「ムーンライト・セレナーデ」の各人のアドリブからアンサンブルに移った時の弱音の表現はとてもいいですし、トロンボーンの柔らかい響きを活かした演奏だと思いました。
デビッド・マシューズの「リジルー」もご機嫌ですね。速いパッセージを物ともせず吹きまくるスーパー・トロンボーンのメンバーのテクニックに驚かされました。大きいマウスピース、スライドの困難さなんて、彼等にかかればなんの障害もないようですね。
マンハッタン・トランスファーの名唱が髣髴とされる「タキシード・ジャンクション」も良かったですが、スウィング・ジャズの名曲「イン・ザ・ムード」や「茶色の小びん」は、グレン・ミラー・ファンだけでなく、映画『スウィング・ガールズ』でビック・バンド・ジャズが好きになった若い世代にも聴いて欲しい演奏でした。
難しい理屈抜きに楽しめるジャズだったと思います。