ある日、パパは風邪をひいてしまいました。病気になったのは初めてなので気分がめいっています。なのに、ママは今晩のおかずは何がいいかなんて尋ねるのです。そりゃパパの咳は止まらなくなるでしょ、ゴホゴホゴホ。そんなパパを見てママが言います、「ベッドで休んでいるついでに思い出の記を書いてみたら?偉い人たちはみんなそういうものを書くんでしょ?」。パパの咳は止まります、「偉大な人物は自分の人生を書き残さなければならない義務があるのだ」。そして思い出の記を書く作業が始まりました。
パパのこの愛すべき性格はどのようにして作られたのか、それはこの本を読めば分るようになります。そしてパパがこの性分をどのように感じてるかも分り、「パパってすごいな」と感心してしまいます。
ちなみにこの思い出の記に出るパパはムーミンパパだけではありません。スナフキンとスニフのパパも出てきます。パパは若い日、彼らと一緒に冒険をしたのです。そう、パパは冒険家だったのです。
孤児院での寂しく孤独な日々、脱走、仲間との出会い、自分達の船での出発、新しい土地の発見、そしてママとの出会い。ママとの出会いの場面だけでも、この本は読む価値があります。まだママではないママに会えるからです。
理想の母親であり妻であるムーミンママ。憧れちゃうけど、あんな風にはなれないかも、とため息が出そうですが、思い出に出てくるママは、スノークのお嬢さんみたいで、ママにもこんな頃があるんだと思い、安心しちゃいます。ママは1日にしてならず、なんですね。
とにかく、ムーミン達の新しい発見がいっぱい詰まった一冊です。