このシリーズ始まって以来、表紙に人物ひとりだけのイラスト。
折り返しで作者自身が語るように、パンジャ編は非常に思い入れ深いようだ。
今巻は、トーマス編のクライマックスと、パンジャ編がまるまる収められている。
トーマスの蠅王の鎧の生み出す地獄の流砂に果敢に挑むロージー。
辛くも勝利する一行だったが、ペイジ、ヨイチに重大な知らせを受け、
休む間もなく北の地、吼千峡(ほうせんきょう)へ向かう。
途中、とあるホテルで助っ人に来た今井裁判官と笹ノ葉梅吉と合流するのだったが……
パンジャ編は、これまでとは少し違うスリルを味わうことが出来る。
静かに迫り来る箱舟、パンジャとミックの登場。四面楚歌の中、今井裁判官が! ムヒョが!
執拗にロージーに執着するパンジャは、かれに「思い出して欲しい」と言う。
作者の思い入れが特にわかる終盤は、どのキャラの魅力もうまく引き出されており、
ドラマティックで思わず引き込まれ、ホロリとさせられてしまった。
こういうところが作者、西 義之氏の作品の魅力でもある。
わたしは、ちょうど前巻収録分までコミックス派だったのでしたが、
この作品がますます好きになり、掲載誌も読むようになりました。
魅力の詰まった1冊。ぜひ手に取っていただきたい。