ゼッフィレッリの自伝的な映画。どこまでがフィクションなのかは良く分からない。イギリスには19世紀から英国人のコロニーがあり、ゼッフィレッリが彼らと少なからぬ関係があり、またパルチザンにも投じていたらしいのは自伝にあるとおり。それをコメディーとして映画化したもの。ムッソリーニ、ファシスト、ナチが登場するし、英国人たちは強制収容所に入れられるし、ユダヤ人たちは連行されるし、と本来はとても悲惨な話なのだろうが、敢えて暗い映画にせずに、懐かしい過去として描いている。
老齢の名女優連が素晴らしい演技を見せる。彼らの迫真の演技を見ているだけでも楽しい。ウフィッツィ美術館で英国人がお茶をしていたとは知らなかった。あれじゃあ、いくらなんでもイタリア人からは鼻持ちならない英国人たちと事実思われただろう、と思うけれど、映画ではイタリアの反英運動はあっさりと見せるだけ。イタリアが先の大戦の半ばでナチに占領され、パルチザンが活躍し、43年には英米軍に降服し、その後連合国側に参戦したという歴史を知らないと、結末がちょっと分かりにくいかもしれない。
主人公ルカ少年が、ナチになびいた父親によって、かつての敵国のオーストリアに教育のため送られる際、彼を育てた英国婦人たちが駅でヘンリー5世の名台詞で見送るシーンには涙。
ルカの子供時代、青年時代が可愛くて、とてもハンサムなのは、ゼッフィレッリの趣味なのかしらん。