日本のポップ/ロックの世界を、自由自在に浮遊しつつ、おおむね好きにやってきた……、そんなイメージのあるムッシュの(もちろん、内面では葛藤もいろいろあったようだけど)、コンパクトな自伝的エッセイ。
彼のキャリアや人脈から考えて、エピソードの宝庫であろうことは予想できたけど、それらがほどよい分量でもって次々に登場するさまは、まさにカレイドスコープを覗いているかのよう。
東京育ちの人らしく、自分自身を語るにおいてもどこか冷静に、距離を置いてみてるようなところがあって、そこがまたこの本に、スマートで、なんとなくスッキリとした味わいを与えているようだ。
ページを閉じてからしばらく経った今も、ムッシュと3時間ほど、どこかのカフェで話しこんでいたかのような、奇妙な錯覚に襲われている。
……で、もっとききたい、今はそんな気がしている。
口絵ページにコラージュされた写真の数々も、貴重なものばかり。
来日したスティーヴィー・ワンダーやマーサ&ヴァンデラスと一緒に写ってる(!)、スゴいのなんかもあったりする。