CD2収録の『6つの歌曲』(マルケヴィッチ指揮 1962年録音)と、『ボリス・ゴドゥノフ』〜ハイライト5曲(カラヤン指揮 1970年録音)が、とびっきり素晴らしい演奏でした。
『6つの歌曲』では、ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(ソプラノ)の力強く、凛として張りのある声が、とても素敵でした。第6曲「ドニエプル川にて」が、殊によかった。さらに、当CDのトリを飾るオペラ『ボリス・ゴドゥノフ』からの5曲がすごく良く、全く聴き惚れてしまいましたよ。ニコライ・ギャウロフの太くてやわらかなバスの声もよかったんだけど、それ以上に、合唱とオケの演奏にやられましたね。カラヤンが振ったオペラの録音のなかでも、これはトップクラスの名演ではないでしょうか。聴きながら、ワクワクしてきました。
『展覧会の絵』では、ピアノ版のリヒテルの演奏(1958年2月、ソフィアでのライヴ)が実に面白く、印象に残るものでした。ミスタッチをあちこちでしているのと録音が冴えないのとで、途中までは「これ、今まで聴いたリヒテルのなかでも最悪だ」と思ったですね。ところが、終盤の2曲「鶏の足の上に立つ小屋」〜「キエフの大きな門」で、俄然、本領を発揮します。野球で言えば、8回裏、9回裏の猛反撃、といった感じかな。でも、このピアノ版を最初に聴くなら、ホロヴィッツ盤を始め、もっと適当な演奏がいくらもあるでしょう。
管弦楽版のジュリーニ指揮シカゴ響の演奏(1976年録音)は、さすがに充実して安定感のあるもの。聴きごたえがありました。ただし、この曲のマイ・ベストは、チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルの超・ゆったりとした演奏。
『死の歌と踊り』では、ファスベンダー(メゾ・ソプラノ)が歌っています。演奏はともかく、これは曲が全く面白くなかった。マゼール指揮の『はげ山の一夜』(1959年録音)は、つんのめるような演奏で、ぱっとしませんでした。