本書は「ミリタリー基礎講座戦術入門WW2」の次に読むとよいと思われる。そちらがWW2を中心とした軍隊における組織や個別戦術の基本解説を綿密に行っているのに比べ、こちらは第一世界大戦から現代における戦術の変化の主要ポイントを選んで個別の解説を行っている。具体的には、以下のような内容である。
・塹壕戦術
・機関銃戦術
・パックフロント(ドイツ機甲師団に大打撃を与えた旧ソ連の陣地戦術)
・戦車と機甲師団戦術
・WW2における米軍の大物量作戦(対日本と対ドイツ・イタリア)
・イスラエルのオール・タンク戦術(中東戦争)
・機械化歩兵(電撃戦から現代まで)
・ゲリラ戦術(アメリカ独立戦からベトナム戦まで)
・ヘリボーン戦術(WW2後から朝鮮戦争、ベトナム戦、イラク戦)
・エアランドバトル(ヘリを中心とした現代の新機甲師団戦術)
どれも興味深かった。特に、塹壕については、これだけ詳しく説明しているものは珍しい。これだけでも買う価値があるといえるくらいだ。また、現代においてアパッチ・ヘリなどのヘリが軍隊で多様されるのはなぜなのかが、実際にベトナム戦やイラク戦でのヘリと歩兵を使った効果的な戦いの様子や戦果及びヘリの進歩を読みながら理解できた。東西冷戦時のワルシャワ条約機構軍とNATOの基本戦術方針についても解説されている。
このシリーズは内容が充実しているのに、値段は抑えられていて、お買い得である。写真も多い。戦争の基礎知識は歴史の理解には欠かせない。ミリタリーファンのみならず、近代史に関心がある多くの方へお勧めする。尚、「ミリタリー基礎講座戦術入門WW2」はオール白黒だったが、こちらは最初の25ページがカラーである。