大抵の自己啓発書は自分自身が大儲けして有名になってから書籍を出すのに対し、この著者は有名な成功者の人脈をいくつも作り、その経緯をもとにこの本を出した、これもひとつの成功といえる。やり方としては奇抜で上手い、今ネットに溢れている『自称成功者』より説得力がある。
ただしこれらはタイトル通り、あくまで「ミリオネアの教え、僕の気づき」。彼が学ぶ立場から得た経験と結論であって、彼自身は現在ミリオネアではなく、セミナーの一参加者、一協力者であることも注目しておいたほうがいい。これを読むと、セミナーの最前線に常に参加し、その中で行動すれば成功が近づくように思えてくるが、セミナーに参加するのは「方向性に迷っている時」「元気を出したい時」に限る。映画スターやミュージシャンや有名作家、一流企業人はなにかのセミナーに参加したから成功したのか? 否、彼らはコツコツ自分の場所で頑張っていたから。セミナーで成功するのは、セミナーを開催する側だけである。
この本があればさまざまなセミナーに参加した気分になれるし、著者のユーモア溢れる描写で細かいニュアンスを楽しめるので、その点では優れている。
ただし、成功したい人は読み終えてモチベーションを上げたら、著者のセミナーに行くよりも、さっさと自分の机に向かうなりオフィスに行くなりしたほうがよい。自力で成功して、著者と同等かそれ以上の立場になった上で、「いやー役に立つ本でした」と握手する、そんな成功者が増えることを祈るばかりである。