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5つ星のうち 5.0
手は口ほどにものを言う。,
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レビュー対象商品: ミラーニューロン (単行本)
言語の起源は、動物の鳴き声が進化したものだと思っていた。本書を読むまでは。コーヒーの入ったカップを手に取るという一見単純な動作の裏側には、大脳皮質レベルでの複雑なニューロンの相互作用がある。大脳の運動皮質のうち、F5野と呼ばれる領域で、コーヒーカップの視覚情報をもとに、物をつかむ手の運動情報への変換が行なわれる。カップを見るだけで、実際に物をつかまなくてもニューロン(感覚−運動ニューロン)が発火するのである。 このF5野から、カップなどの対象物を見ただけでは発火せず、実験者が対象物に手を伸ばすといった運動行為をするのを見た時にだけ発火するニューロン(ミラーニューロン)が発見された。感覚−運動ニューロンが自己の行為を準備する役割を持つのに対して、ミラーニューロンは、「他者が実行した行為」の意味を理解することにあるというのが著者の主張である。 動作から他者の意図を理解することが脳に書き込まれた原始的なコミュニケーション機能であるとすれば、さらに進化したコミュニケーション手段である言語は、鳴き声が進化したものではなく、動作によるコミュニケーションに音声が付加したものであると理解される。ミラーニューロンが発見されたF5野は、手と口の運動が表象された領域であることも、この仮説の有力な根拠の一つとなっている。 なぜ人間だけが言語を高度に発達させることができたのか。その答えが、二足歩行により大きな自由度を得た手の動作にあったというのが、ミラーニューロン発見の最大の功績ではないだろうか。これまで、何となく胡散臭いと思っていたミラーニューロンであるが、本書を読むと、やはり「世紀の発見」であるように思えてくる。
18 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
「行動する脳」は「理解する脳」???,
レビュー対象商品: ミラーニューロン (単行本)
古典的な脳研究からニューロン(本書では主にミラーニューロン)に言及。内容を裏付ける為のデータや図が多用されている。 サルで発見されたミラーニューロンゆえにサルでの実験結果を連ねた上で、ヒトにおける実験および論証に移る。無論、サルとヒトの差異に用心をしている旨もある。ありがちな著者の盲信的な持論展開などは無く、流し読める。 ヒトが人たる社会形成(対人形成)する行動を司るプロセスの研究土台をミラーニューロン系によって獲得できたのではないだろうか、という著者。 それに対して監修者が‘X線の発見’や‘(宇宙)背景輻射に起因するビッグ・バン理論’のような「世紀の発見」と過剰に煽ってしまっている解説で★星の数が減った。将来で顧みればミラーニューロンは脳研究においてパラダイム・シフトを起こしたと云われるかもしれない可能性を否定するつもるりもないが、賞賛し過ぎでは。
5つ星のうち 4.0
学習や共感に関する脳の活動,
By ラテンマン (北海道) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ミラーニューロン (単行本)
ミラーニューロンについては触り程度の知識しかなかったが,言葉から連想される以上に多くの示唆に富んだ内容だった. 他者の行動を見ることによる学習や,さらには言語や共感といった,より高次のコミュニケーションとは すなわち,集団生活での学習や行動を効率化に他ならない. つまり,情報収集・情報処理,問題解決を集団で行うことによって 個で行うよりもはるかに多くの課題を処理できるわけである. 当たり前に思えることではあるが, 個のレベルを超えた集団での行動に関わる脳の活動が 解明されつつあることに大変感銘を受けた.
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