3部作の最終巻!600ページ近い大部です!!
寒冷化による飢餓に直面したソートランド王 国。半身トウィクスを失った若き王エルギルは、その原因がマゴス「呪い」であることを知り、時の狭間に眠る母親を救って「呪い」を解くため「シルマオの聖水」を求めて仲間 達と再び旅に出る。ところが、王不在の国は他国の侵略を受け風前の灯火に!崩れゆく城!王は間に合うか??!!というお話。
書名 にある通りこの物語は「年代記」で、冒頭には第2巻以後の出来事が簡単にまとめられていて「え?」と思う内にお話はかなり進んだ段階から始まってしまいちょっと面食らいます。また、冒険の「旅」と王国の「危機」の様子が同時進行で描かれていきますが、「旅」の内容にはかなり荒唐無稽な部分もあり、第2巻のような引き締まった展開と感じな いのが少々残念か?
ただ、後半のソーデルブルク城の攻防では、圧倒的に不利な状況の中での悲劇的かつ英雄的な行為なども描かれていて読ませます。
結 末は若き王にふさわしく、良き伴侶と忠臣に恵まれ、歴史に残る大王となった顛末が「年代記」の一コマとして書かれて終わり、ファンタジーとしては極普通のハッピーエンドでしょうか。
折れた「剣」が重要な役割を果たしたり、迫力満点の攻城戦などは元祖「指輪物語」そのままと言っても良いくら いですし、トールキンの「指輪物語」は「ホビット族」のフロド達が主人公でしたが、この物語では「指輪物語」の「エルフ族」に相当する 「シリリ ム」と人間の血を引く少年が主人公となっており、「エルフ族」を主人公にした「指輪物語」という雰囲気もあります。作者にとってのこの物語は、やはり「指 輪物語」へのオマージュと言うべきものなのでしょう。
第2巻に比べるとちょっと地に足がついてない部分も感じますが、後半の展開はやはり 素晴らしいです。本格的な長編ファンタジーが読みたい!という方には3巻まとめてお薦めしましょう!