スリーピースロックバンドの宿命である音数の限界を、さらりと乗り越えたアルバムだ。
打ち込みが随所に用いられているが、ロックバンドの肝である生演奏を活かしたアレンジになっているので何の違和感もなく聴ける。このアルバムには、3人の演奏がなければバンドは成立しないという危うさと、そのスリリングな演奏から来る個性が強烈な後味となって色濃く滲み出ている。
濃いメイクに、派手な衣装…ポップバンドでないことはライヴを観れば明らかだが、彼女らの核にあるのは個人が持つ自然な感情は自然に放出していい、というメッセージだと思う。ギラギラした装飾の付いた「デスコ」垂れ幕という兵器もさらりと使いこなしてしまうあたりからして、ライヴはバンドとギャラリーの意思疎通を直接的行うものと位置づけているのだろうが、大音量で再生するCDでは彼女らが目の前にいない。それでも再生すれば真夏の海辺を全力疾走したくなるような、強烈なドキドキが胸に宿り、ぶち上げられてしまう。この楽しさと危なさはクセになる。
ライヴバンドでありながらスタジオ盤でも勝負できるこのバンドはかなりのやり手だ。