ミミズの研究者である著者が、世界各国で調査した思い出を書き綴った一冊。
ミミズは土をつくるのに欠かせない。動植物を根幹から支えている存在といっても良い。しかし、土質の変化や汚染によって簡単に死滅してしまう。生態系の保全や研究に非常に重要な生物なのである。
ところが、本書は読者の期待を裏切る。これだけ面白い題材なのに、うまく処理できていないのである。
海水に弱いミミズは離島であるガラパゴス諸島に渡れなかったはずなのに、固有種が発見された。あるいは、ニューギニアにおける汎熱帯性ミミズと固有種の関係。これだけの素材はなかなかないだろう。それなのに、著者が述べるのは現地を訪れた感想だけなのである。要するに、まだ何もわかっていないということなのだろう。堂々と書けるような研究成果が出ていないのだ。
著者は、この後さらに2冊のミミズ本を書いているから、そちらに期待したい。