4巻から続いた三部構成の完結編となる作品で,シリーズとしては6作目にあたります.
完結編のせいもあるにせよ,序盤から緊張感が続いてなかなか楽しませてくれます.
また,本作では気になる部分を残しつつ後に事情が明らかになるという構成が目立ち,
派手なやり取りで引きつけられたと思ったら,今度は「あれ?」と考えさせられるなど,
メリハリやテンポのよさとでも言いますか,物語の『押し』と『引き』が印象に残ります.
派手なドンパチとまではいかないものの,多くの宇宙船が動く展開もイメージがしやすく,
かなり食傷していた各種妨害工作も,これらとうまく噛み合っていて今回は飽きさせません.
『決戦』と煽った割に最後はあっさりでしたが,バッサリ端折ったというほどでもなく,
三部作のキーマン(?)だったお調子者も,物語をかき回しうまくオチをつけた感じです.
これが当初の予定通り,二部構成でスッキリとまとまっていればもっとよかったのですが….
なお誤植がかなり多く,人物の名前に宇宙船,団体名などあちらこちらで見つかります.
特に名前の似ている母娘ヒロインの入れ違いは,問題がなくてもややこしいのさらに混乱.
他にも作中の様子とイラストの差異,登場人物紹介イラストでの新キャラの手抜き具合など,
『あとがき』からいろいろ事情もあるようですが,書籍として雑な部分が目立つのが残念です.