tambourine。本書の装丁にもつかわれている、ミナ・ペルホネンの代表的なパターン。
円は正円ではなくフリーハンドで描いた円で、円を縁取るドットの間隔は不均一だ。
その非対称、不均一が人にとって自然だと皆川はかんがえ、私たちはその服を心地よいと感じる。
百年続けるという意思のなかには、皆川が魚市場で働いた記憶が色濃く残る。
一つとして同じ魚はないが、獲る人、吟味する人、運ぶ人、無名の人々の職人技が、最終的に豊かな食卓をつくる。
ふくも、一人でつくるのではない。本書には多くの職人が登場する。
無名だが、高い技術を服作りに用いる人々だ。
彼らの技術をまもるために、つくった服を、多くの人に届けたいと皆川は思っている。
でも、大量につくることではない。
少しずつつくって届け、それを百年つづければ、一度にたくさんつくるよりも、もっと多くの人に届く。
その時皆川はいないけれど、ミナ・ペルホネンの服は誰かに届けられるだろう。