ブラウン運動および、それを発見したブラウンさんに関する記述が非常に長い
(まるで伝記?)ので、まさかこれで一冊終わってしまうのか、とだんだん疑わ
しくなりました。
しかし突然、生命活動の根幹にかかわる記述へと変わり、実に面白かった。
『生物と無生物のあいだ』という本で、分子レベルで見た生命活動は100%化学
反応であり、「神の見えざる手」のような神秘現象ではないことを知りました。
しかし考えてみれば、タンパク質が分解されたり組み直されたりする過程は静的
ではありえず、そのダイナミックな動きを生み出すのがブラウン運動であったと
いうのは、驚きです。
地球に生命が誕生するための太陽との絶妙な距離とか、外側に木星があって隕石
から守られているとか、巨大スケールでの偶然も実に不思議で神秘的ですが、
ミクロの世界(正確にはミドルワールド)で、一つ一つは単に物理や化学の法則で
説明ができる現象であっても、それがトータルで複雑な生命活動を成している。
これもまた同様につくづく「不思議だなあ」としか言いようがありません。