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ミトコンドリアが進化を決めた
 
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ミトコンドリアが進化を決めた [単行本]

ニック・レーン , 斉藤 隆央
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

生命進化を「操る」したたかなミトコンドリアの論理を手がかりとして、生命の起源から人類の現在までの40億年を語りきってしまうダイナミックな科学書。われわれヒトを含むすべての真核生物の誕生を可能にしたのは、ミトコンドリアの内部共生という進化史上の特異事象だった。以来、多細胞化や、複雑な形態など生物の際立った特徴が、内部共生体ミトコンドリアとその宿主である細胞の、ほかに類例のない進化戦略の結果として生じてきたといえる。
さらに著者は周到な議論によって、生命の起源、性の起源、老化の原因など、進化の主要な問題にミトコンドリアが果たす決定的な役割を明らかにする。
どのように進化したか(How)だけでなく、あえて進化のなぜ(Why)を問い、それに答えようとする大胆不敵な語り口は読み応え抜群。ミトコンドリアは地上で最も繁栄している生物体となり、いまこの瞬間もわれわれの命とその死を支配している。ミトコンドリアを知らずして生命は語れない。

内容(「BOOK」データベースより)

生命進化を「操る」したたかなミトコンドリアの論理を手がかりとして、生命の起源から人類の現在までの40億年を語り切ってしまうダイナミックな科学書。われわれヒトを含むすべての真核生物の誕生を可能にしたのは、ミトコンドリアの内部共生という進化史上の特異事象だった。以来、多細胞化や、複雑な形態など生物の際立った特徴が、内部共生体ミトコンドリアとその宿主である細胞の、ほかに類例のない進化戦略の結果として生じてきたといえる。さらに著者は周到な議論によって、生命の起源、性の起源、老化の原因など、進化の主要な問題にミトコンドリアが果たす決定的な役割を明らかにする。

登録情報

  • 単行本: 524ページ
  • 出版社: みすず書房 (2007/12/22)
  • 言語 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 4622073404
  • ISBN-13: 978-4622073406
  • 発売日: 2007/12/22
  • 商品の寸法: 19 x 12.6 x 4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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42 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ニック・レーンの「ミトコンドリアが進化を決めた」はミトコンドリアの周到な解説を試みた邦訳待望の本でした。真核細胞の起源から呼吸の意味、生命の起源、生命の複雑さ、なぜ性はふたつあるのか、生命の時計、老化と死を説明しようと試みています。彼の前作『生と死の自然史――進化を統べる酸素』と同じく読んで興奮せざる得ない知的好奇心を刺激してくれる本です。高度に専門的であるにもかかわらず、過去の第一級の自然科学書と同様とても面白く一気に読み込めてしまいます。この本は多くの読者から支持を得る話題の本となって欲しいものです。ほんの10ページ読むだけで、ニック・レーンの巧妙で魅力的な語り口の虜になってしまいます。翻訳者の二人の実力も相当なもので、優れた翻訳といえるでしょう。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By k007
形式:単行本
現時点で結構多くのレビューが掲載されていて、その全て5つ星というのは大変なものだが、レビュアー達の評価に間違いはなく、素晴らしいの一語に尽きる内容である。ちなみに本書の原題は‘POWER,SEX,SUICIDE’であるが、真核生物におけるエネルギー創造、性別の誕生、そしてアポトーシス(自滅あるいは自殺)を表している。そのいずれにおいても、ミトコンドリアが関わっていたというのが、本書の主張である。

ミトコンドリアや葉緑体が細胞に寄生し(あるいは取り込まれて)、その後の地球生命に大変大きな影響を与えたという「生命共生説」はリン・マーギュリス以来ほぼ定説となっているが、本書はいかにしてミトコンドリアが細胞に取り込まれるに至ったかということから書き起こし(このあたりは仮説なのだが、それがまた素晴らしく納得できる内容にまとめられている)、その後の真核細胞の進化への影響を、さまざまな角度から検証していく。

ニック・レーンは、とがきで「内容はやや専門的な領域に踏み込んでいるので、難しい部分もある」と断っているのだが、翻訳が素晴らしいので、ポピュラーサイエンス・ファンにも読み進めることは困難ではないだろう。ちなみに、翻訳に当たったのはミチオ・カクの『パラレルワールド』やアンドレ・ノールの『生命・最初の30億年』を訳出した斉藤隆央氏である。さらにまた、的確に訳注を挿入する編集がにくい。まさに「かゆいところに手が届いている」のである。

巻末の解説は、本書にもその研究が紹介されている都老研の田中雅嗣氏が筆を執っていて、この内容がまた本書の内容を極めて的確に紹介している。この解説を最初に読むというのもいいかもしれない。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tsunco トップ500レビュアー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 ミトコンドリアはいわば、細胞内の小宇宙:超々小型高性能発電所である。酸素という超危険物を扱うエネルギー・プラントなのである。細胞の生命活動に必要なエネルギー(ATP)の供給源であり、生きていく上で絶対に無くてはならない細胞内小器官であるが、その一方で、活性酸素種等のフリーラジカルを大量に発生させる、困った面も持ち合わせている。更に、ミトコンドリアは単なる発電所ではない。我々真核生物に両性が在るのも(有性生殖・片親遺伝)、生きるも(エネルギー供給)、死ぬも(アポトーシス)、すべて彼女が支配していると著者はいう。副題の”Power,Sex,Suicide”(原著ではこれが本タイトル)とは正にこの事を指す。そればかりか、真核生物として進化したのも、また生活習慣病も発ガンも老化も、全て彼女が決めたのであるとのご主張である。彼女はいわば、全知全能の『陰の支配者』である。そう、このご本はミトコンドリアに関する壮大な最新統一理論への招待なのである。

 15〜20億年前の太古の昔、我々のご先祖の原始的生命体(アーケア:メタン生成古細菌)が、その体内にミトコンドリア(アルファ・プロテオバクテリア)を取り込んだ事により、我々のご先祖には真核生物と呼ばれる複雑で多細胞の大型生命体(筆者は「戦艦」になったと表現している。)へ進化する道が拓けたのである。その代わり、進化上の「ある宿命」を負うことになった。それが活性酸素・フリーラジカルの発生とそれによる酸化である。ミトコンドリアは機嫌が悪い(電子伝達系不全という)と、辺り構わず危険なフリーラジカルを撒き散らす、とんだ「じゃじゃ馬娘」でもあるのだ。この大量に漏出したフリーラジカルが老化が加速し、結果として、ありとあらゆる病気、即ち、アルツハイマー・パーキンソン病などの神経変性疾患、糖尿病・動脈硬化などの生活習慣病、癌・悪性腫瘍などが起こって来るのだと筆者は言う。
 
 そこで、病気にならずに長生きしたければ、ミトコンドリアからのフリーラジカルの漏出を最小限に食い止めることが肝要であると筆者は強調する。そう、ミトコンドリアの高効率化である。これを”Efficient Mitochondria”という。即ち、より多くのATPを産生しつつ、活性酸素の産生は逆に少ないミトコンドリアのことである。筆者によれば、健康長寿を目指すには、『ミトコンドリアよ。分裂せよ。』と叫ぶ事だそうだ。その心は、身体活動や精神活動を若い時から歳を取ってからも保ち、ミトコンドリアを存分に働かせる。このエネルギー需要がミトコンドリアを分裂させ、ミトコンドリアに予備力と高効率化をもたらすというのだ。

 筆者は、『ありとあらゆる老化性疾患にミトコンドリア機能異常が関与しているとなると、個別の病気の解析に一々対応していても仕方がない』と仰る。そして『個々にやっても、今まで意味のある突破口(ブレイクスルー)を1つも切り開いていないし、これからも上手く行かないであろう』と予言する。終には『今の(西洋)医学はどうも間違った方向に向かっている様だ』と警告する。実に素晴らしい。全く同感である。間違っているからこそ、アンチテーゼとして、統合医療とか補完代替医療が登場してきた訳だ。アルツハイマー病の遺伝子変異がどうだとか、パーキンソン病の方はどうだとか、下流で個別にアプローチしても仕方がないのだ。早い内から一番上流を制する事が大切である。もし、ここを制御できれば、老化関連諸疾患は一気に解決、そう一網打尽にできるかも知れないのだ。それこそ、大ブレイクスルーが訪れるに違いない。それにしても、筆者の見識の高さには驚くばかりである。

 本著で唯一異論があるとすれば、エピローグの章で、『脂肪の多い西洋型の食事は安静時に発生するフリーラジカルを増やし、特にアフリカ系人種が心臓病や糖尿病になり易くなる』としている点である。問題は脂肪の取り過ぎではないのだ。フリーラジカルの過剰漏出をもたらすのは、実は、炭水化物の方なのだ。1万年前に穀物食を始めた現生人類は、過剰に発生した活性酸素・フリーラジカルの消去・スカベンジに四苦八苦し、「じゃじゃ馬馴らし」に本当に難儀しているのである。この地球上で何億人もが、炭水化物の摂りすぎによるミトコンドリアの機能不全・効率低下、それからもたらされる諸病、例えばメタボや糖尿病、神経変性疾患、癌等に悶え苦しみ、老化加速の罠に嵌っているのである。もし貴方が健康でいたければ、長生きしたければ、いつも彼女の存在を意識し、上手く付き合う事(フリーラジカルの漏出抑制)に全力を傾けるべきである。兎にも角にも、それには「食事に気を付ける」ことである。食べるものの種類、食べる回数・間隔・タイミング、最後に食べる量である(CR・IF)。
 
 このご本は少々お値段が張る上、500頁近い大冊でもあり、しかも専門用語に溢れているのである。巻末に用語集が附いてはいるが、ほんの申し訳程度。また、大学の理系学部のセミナーの教材として使用されている位の代物だそうで、一般の方には少し難しい内容かもしれない。しかし、知的好奇心が旺盛で、刺激を受けたい方は一度チャレンジされては如何であろうか。少々苦労しても、苦労のし甲斐があるご本である。生命に対する深い洞察と最新の思想・世界観を得られる筈である。生物学、医学、生理学に関心のある人や学生さんのみならず、哲学、人類学、社会学など関心が文系の方にも、そしてメタボや糖尿病の患者さん、健康長寿を目指しておられる方にお勧めできる、実にエキサイティングな意欲作である。尚、原著は英国Economist誌による”Book of the Year 2005”の栄冠を獲得しているとの事。英語に自信のある方はそちらにも挑戦されては如何であろうか。
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