心霊や超能力を扱った類の番組は沢山あるけれど,このドラマは他と違う.
実在の人物や事件に基づいてる点だけを中心にしているのではなく,背景にある家族との生活,同僚からの偏見によるもどかしさにも重点を置いて丹念に表現されており,そしてまた何よりも「完璧」でないところに引き込まれる.
見えるビジョンは断片的なものが多く,彼女はその映像,また時として自分の能力に疑心をつのらせては,悩み模索する.常に余裕の表情であらゆるものを一瞬にして感じ取るミディアムも確かに存在するかもしれない.でも,この苦悩する場面をありのまま細かく描いてるあたりに現実味がある.それに加え断片的に見える映像に,ドラマとして観ている側にも不思議な感覚を体感させたり,夫とのウイットに富んだ会話に笑ったり,とにかく最後まで目が離せない.
「事件物」としてだけ捉えて観たばっかりに,結末に釈然としないと言った私の友人.そう感じる人もいるだろう.けれど,もっと広い視野で観てほしい.
あまりに気に入って,彼女の本も読んでみた.近年母を亡くして,毎晩行き場の無い悲しみに収拾がつかず,人から勧められるまま,その手の書物は読みあさったが,どれにも心は動かされなかった.しかしながら,彼女の文章には涙が止まらなかった.彼女は自分の持つ特殊能力に驕った考えがないからか,文が柔らかい.同じ出来事を体験した人なら分かってくれると思う.大変感謝してる.
アリソン・デュボア,やっぱりただものじゃない.