2008年の作品ですから約3年間塩漬けだったことになります。
日本人監督の北米進出の路線通りのB級ホラーですが原作はご存じクライブ・バーカーの「血の本」の代表作。
原作を読んだことがあるならあの独特の世界観をそのままフィルムに再生するのはかなり難しいことは明らかだと思うのですが・・・。
驚いたことに結構良く出来ております。うん、この健闘をまず讃えたい。
意外な事に登場人物のドラマがきちんと組み立てられておりますので「作品」としてちゃんと見られる物になっております。
そんなの当たり前等と言うなかれ、最近のアメリカ産ホラーはそんな基本さえ無視した「見せ物」が氾濫しているではないですか。
主人公レオン役は、なんと今や飛ぶ鳥落とす勢いの人気者ブラッドリー・クーパーだったんですね。
この作品に出たのはブレイク前だったわけですがホラー映画の主役らしく散々な目にあっております(いい気味だ)。
今なら彼の女性ファンを当て込むことも出来るかも(どぎつい残酷シーンに引くかもしれませんが)。
喧噪も静まった深夜、都市の地下深く轟音を立てて疾走する人肉列車の中で繰り広げられる惨劇は浮世離れした設定ながら妙に無機質な魅力を放っております。
「スプラッタ・パンク」の異名を生んだ原作らしく、残虐描写はスパッと思い切り良く仕上げられており、なかなかカッコ良く出来てます。
その部分で下手に手加減すると原作の魅力を大きく損なうことになっていたのではないかと思います。
やはり一番の功労者は「無口な巨体の屠殺人」マホガニーを演じたヴィニー・ジョーンズ。
無言でハンマーを振りかざしてくる姿はスタイリッシュで様になっております。
しかし問題はやはりクライマックス。
原作通りの展開ではありますが、あの暗黒神話めいた世界観は小説ならば読み手のイマジネーションをいかようにも刺激できても、
いざ映像化しようとすると結局、チープなモンスター映画になってしまうのは仕方ないとはいえチト辛い。
とは言え、その点さえ目をつむればホラー描写、ドラマのテンポ、スタイリッシュな映像も中々に楽しめると思います。
さて、北村監督次回作は”Black Friday 3D”と言う作品だそうです。
主演は何とリンジー・ローハンとも噂されており、製作前の時点で既に「怖い」じゃないですか(笑)。