トリノ・オリンピックの女子フィギュア・スケートで誰かが本作のテーマ曲を使っていたが、本作のテーマ曲がオーボエによる世紀の名曲であることは疑いがない。滝を登った修道士がオーボエを取り出してその曲を吹き、現地人の心をつかむ切っ掛けとなるシーンが素晴しい。まさに音楽に国境無しを実感させてくれる名場面です。20年近くに映画館で2度見ましたが、近くの席の外人がこの場面でOboe!とつぶやいたのが、今でも記憶に残っています。18世紀の宣教活動と植民地政策の対立、その中で翻弄され、倒れていく無垢な現地人、という具合に、テーマは重たいですが、イグアスの滝の圧倒的な迫力の描写、いつもながらの役になりきったデ・ニーロの優れた演技(ギャング等を演じることが多い彼が修道僧を演じるのは珍しいですが)など見所の多い、一見の価値のある作品と考えます。そして観終わった後もテーマ曲がいつまでも忘れられないでしょう。なお、特典ディスクは、堕落していないインディオの部族をどのように映画に参加させるか、彼らの生活を壊してしまうことなく文明に触れさせるかにいかに腐心したか、監督を始めとするスタッフの真摯な並々ならぬ努力を伝えており、他のメイキングものとは違ったノンフィクションとして価値あるものと私は考えます。