異才田中哲弥7年ぶりの新刊は学園を舞台にした連作短篇集。連作といっても『やみなべの陰謀』ほど緊密につながっておらず、ミッション系の学園であることがほぼ唯一の共通点。
本作品集の個人的ベストは第二話「ポルターガイスト」。登場人物が自らの恥を無意識に叫ぶとともに、回りが破壊され続けるというあほとしか言いようのない展開が続く、不条理そのものの怪作。
また、最も凄みを感じさせるのは第五話「スクーリング・インフェルノ」。贅を尽くした講堂で入学式をしていると学園が沈没を始めた!。地底へ落ちた主人公は、怪力お嬢様女子高生と出会ったことで悪夢のような状況へ巻き込まれることになるというあらすじ。意識の流れを効果的に用いた田中哲弥の超絶文体で、シュールでかつホラー的光景が描かれた作品。
全体的には、これまでのライトノベルレーベルから出た作品と比較すると、エンターテイメント色はやや後退し、不条理色が強く出ており、より大人向けになっている。