ジャン=ピエール・ジュネ監督は本作でも偏執狂的センスを暴走させています。これまでの自作映画に関するオマージュを思わせる小道具や、明暗を意識した映像、中世的雰囲気の醸成、BGMなどまさしくジュネワールド全開です。
原題「Micmacs ' tire-larigot」とは英語で「Games satisfactorily」直訳すれば「満足のゲーム」になるでしょうか。内容的にはゲームというレベルではないような・・・。しかし、本作はあくまでもコメディです。ジュネワールドで展開されるストーリーは多少しまりのない独特の軌跡を描きながら不思議な空間を紡いでいきます。
2つの武器製造企業に同時に復讐してゆくのですが、コメディに必要な要素「ドタバタ」と「痛快さ」が若干弱い印象を受けました。「ドタバタ」と「痛快さ」を追ってしまうとジュネワールドとのバランスが取れないのかも知れません。
ジュネ一家を支える番頭ドミニク・ピノンをはじめ、個性派俳優が多数出演しています。また絵的には豚骨スープに背脂を入れたようなこってり感が満載で、アクの強い俳優陣と相まってジュネワールドを強化しています。小道具へのこだわりや独特な色遣いなど考えるとBDでの鑑賞がお勧めです。