「アメリ」は人を幸せにしようと企む、女の子のお話でしたが、一度だけ、むかつく奴に天誅を下すイタズラを仕掛けます。本作は、その拡大強調版です。フランス語の“micmac”って「いたずら」って意味らしいですしね。また、声高ではありませんが、反戦メッセージも込められています。
主人公のバジルが孤児院脱出後、どういう人生を送ったのかは分りませんが、30年後、レンタルビデオ屋でバイトをしていることや、「三つ数えろ」のビデオを観ながら、ハンフリー・ボガードとローレン・バコールのセリフ(フランス語の吹替)を空で口づさみ、映画を何度も観て来たことを思わせることから、彼は、他人といっしょに仕事が出来ない、孤独な作業を好む、ある種「ヒキコモリ」的性格なんですね。
バジルが、キャフェに面した広場で大道芸を披露していると、骨董を売っているジイさん(ジャン=ピエ=ル・マリエル)が彼を呼びとめ、彼の「コミューン」に連れて行かれます。そこは、それぞれに特殊技能と屈折した過去をもった人間たちの集まりで、バジルはすぐに溶け込みます。
ガラクタでロボット(というより「人形からくり」というべきか)をつくったりするのが好きな老人(ミッシェル・クレマド)。この発明マシーンが、出来映え、造形、動作がアート過ぎて、笑いを通り越して、感心させられます。スカートがくるくる回るマシーンなんて光景が美し過ぎ。
それから、体が柔らかいアクロバット芸人の愛らしい女(ジュリー・フェリエ)などなどがいる。
コミューンの連中が、それぞれの特殊能力とガラクタを駆使して「敵」に対峙する以後は、ドタバタ、スラップスティック調に展開し、チャップリンやキートン等の『無声映画』を連想します。ガラクタとローテクの高度な使い方、このあたりが、本作の真骨頂ですね。(笑)