「ピーターラビット」の作者かつ画家として知られる
ビアトリクス・ポターの人生の一部を
ロマンティックに脚色した物語。
著者のリチャード・モルトビーは映画「ミス・ポター」の脚本家です。
お話は、「ピーターラビット」が出版される契機から
彼女が湖水地方に家を買い、作家活動から手をひくようになるまでの
約十年間を、史実にアレンジを加えて描いたもの。
最初は、ポターの性格や細かいことが
多くの伝記や史実と異なることが気になっていましたが
中盤からは、まったく気になりませんでした。
比較的裕福ではあるものの両親に管理されるオールドミスだったポターが
友人と恋人、仕事と自分のお金を手にいれ
自由と自立によって輝いていく様や
やがて迎える喪失、悲しみに
ポターの伝記的小説としてではなく、この小説に魅了されました。
ひとつの小説として、とてもよかったです。
ポターを知る、という意味でも、だんだん著者の目で表現されたポターに
こういう切り取り方もアリと思えます。
脚色は加えられていますが、大切なところは手が加えられていない感じです。