レビューを書く現時点で同作者である押切蓮介先生の「ハイスコアガール」が
ちょっとした話題になっているので、先生の漫画を読みたいと思った人の目に
このレビューが止まる事があればと思い記させていただきます。
上記、「ハイスコアガール」や代表作「でろでろ」とは違いこの物語は
とても、とても悲しい物語です。
ですから明るい漫画が読みたいという方にはお勧めできません。
不条理と残酷さで満ちた世界観。
悲しみと絶望の連鎖で私は読んでいるだけで震えがきました。
内容はここには書けませんが読み終わった後に何とも言えない苦しいような切ないような
気持ちで押し潰されそうになってしまうと思います。
押切先生の作品の中では古い方の物なので絵柄が荒削りな部分が感じられるのですが
良い意味でその画風が作品のストーリーと絶妙に絡み合い熱と命を感じさせてくれます。
これは現在の先生本人でも再現できないと思う程に見事に調和しており、
全3巻とやや短めのストーリーの中にこれでもかと言わんばかりに熱が込められています。
本編は雪降る町での物語なのですが、何故か「雪」と「炎」の対する両方を連想する
不思議な魅力で満ち満ちています。
それはきっと「死」と「命」を暗示しているからなのかもしれません。
悲しいけれど、読んでいてつらく思うシーンも多々あるけれど。
それでもこの「ミスミソウ」は押切先生の作品の中で私は一番と評したいです。
このタイミングでこのレビューを読んでくださる方はほとんど…もしかしたら全くいないかもしれません。
でも、もしこのレビューを読んでくださった方がいたら、是非ともご一読して欲しい作品だと私は強く思います。
ここに押切蓮介、または人間の黒い部分が集約されている。そう感じ取れるからです。
ミスミソウ…目立たないけれど春に咲く、小さくて、強くて、美しくて、だけど悲しい花の物語です。