23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
価値観破壊, 2010/9/17
レビュー対象商品: ミスト [DVD] (DVD)
B級モンスターものの傘を被ってますが
あくまでも物語の中心核は人間心理であり、そこにシフトできたひとにとっては満足のいく映画となったと思います。
まず極限状況の中、見えない何かに怯え、恐慌をきたしていく人々の姿がリアルに描かれててイイです。
そこでは必ずしも力の強い者に影響されるとは限らず、ヒトの恐怖心、不安感を煽る狂信的女性宗教家が観念でヒトを支配していく場面。
そのミセス・カーモディを演じるのは、オスカー女優マーシャ・ゲイ・ハーデン。
その鬼気迫る怪演は必見だが、彼女の存在で店内に派閥が発生し、この映画の最大モチーフである、<価値観破壊>が行われていく。
本当に怖いのは何かを考えさせる
戦慄の展開〜
そして、散々宣伝文句として煽られたたラスト15分である。
問題は、ほとんどの視聴者が主人公とその一派に感情移入していくこと。当然である、それこそがこの映画のしかけなのだから。
自分なども当然そうで、彼のやることが「正しい」のだと思っていたし、応援していた。
そういうヒトたちにこそ用意されたのが、この衝撃のラスト!
知らずの内、
植え付けられた価値観と云う物が如何に恐ろしい物か…。
無自覚な“驕り”をいやが上にも痛感する恐怖の一本である。
賛否両論あるのは当然。
人間は誰しも「それ」を成しうる、成しえてしまう存在なのだ。
そういう人間の「業」を認めたくない、それが生理的嫌悪を催したり
多くの批判にも繋がるのかもしれないが
人間の本質を突いてるのは間違いないと思う。
さすが、ダラボン監督っすね。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
名作であり、問題作, 2011/2/11
レビュー対象商品: ミスト [DVD] (DVD)
突然の嵐によって被害を受けた主人公親子とその友人、車を走らせてスーパーマーケットへ行くとそこは同じく被害を受けたであろう人々でごった返している。そんな中、興奮して取り乱した男が血を流しながら店内に逃げ込んできた。 『ドアを閉めろ!霧の中に何かいる!』 外を見ると、彼の言うとおり真っ白な霧が店に迫っていた。 そして…外は霧で何も見えなくなった。 という始まり方なんですが、この段階で既に気になりだした方もいるでしょう。ウケる層は偏りますが、その本能に従って見ていただいても決して損しないと思います。 しかし、誰よりこの映画を見ていただきたいのはスティーヴン・キング氏の作品のファンの方々です。 私は現在高校生、キング氏の作品が次々と映画化されていた全盛期を知りませんのであまりデカい口は叩けませんが、一応ファンなので少しだけ語らせていただきますと…。 キング氏原作の映画はほとんど失敗している。私はそう思います。ホラー映画の傑作と言われている『シャイニング』でさえ、私にはそう受け取れました。(好きな方には申し訳ありません。あくまでも私個人の意見ですので…) なんというか、キング氏の作品には活字だからこそ伝わる重苦しい恐怖、というか不快感があると思うんです。ゆえに映像化するとそれが失われてしまって、全くの別物に仕上がってしまう…そう思うのです。『グリーン・マイル』とか『スタンドバイミー』とかもそうじゃないですか?原作にあった、なんとも形容し難い、重苦しく胸糞悪い描写が無くなって感動だけしか残らない。 それに比べるとこの作品は原作に非常に近い『キング節』が完成されていると思いました。極限状態の中で繰り広げられるエゴ丸出しの醜い争い。そしてあまりに救いの無い映画史に残るであろう究極のバッドエンド。 トーマス・ジェーン氏の悲痛な叫び声が耳から離れない…。
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5つ星のうち 4.0
面白かったです, 2011/12/15
レビュー対象商品: ミスト [DVD] (DVD)
クトゥルー関連の映画の中では一番面白かったです
クトゥルー神話は聖書を意識してある部分もあるので
聖書狂の女性を登場させているあたり愛を感じます
登場する怪物もCGながらいい味出してます
特にアトラックナチャ…蜘蛛がリアルで気持ち悪いです
と、そんなSAN値直送ファンタジーなのはあくまで背景であり
内容は恐慌の中の心理状態を秀逸に描き続けています
特に主人公に感情移入させた上でのラスト15分のちゃぶ台返しは
絶句の後に「やられた!」と呟いてしまいました
サスペンスやホラーな雰囲気を漂わせてこのラストとは…
怒る人は怒るでしょうね(笑)
★一つ減らしたのはまず
DVDを購入した意義があまりないこと
話の都合上1度観れば十分であり
何度も繰り返して味を噛みしめるものではありません
映画フィルムとしてはもちろん傑作です
次に、やり過ぎだと思う演出があったこと
聖書狂の女性が偶然妖虫にスルーされるところと
冒頭で主人公が見捨てた、霧の中へ出て行った女性が
ラストで軍のトラックの上から冷たく主人公を見下ろしているところ
両方ご都合主義過ぎて興ざめしました
普通の人なら非常に楽しめると思います
私みたいなSAN値の低い人間は狂喜できます(笑)
ただ、桃鉄でキングボンビーが出ると怒るような
娯楽にのめりこみ過ぎる人にはおすすめできません