自称“天使”の阿部真理亜は、時間を操作できるアイテム『クロノグラフ』を探している。
クロノグラフは全部で七つあり、そのうちの一つ『リザレクター』
――時間を巻き戻せる注射器――だけは見つけることができた。
ひょんなことから真理亜と知り合い、彼女と同居生活をすることになった
高校生の遥海慧は、友人たちの協力を得ながら、精神年齢は幼児同然
である真理亜のクロノグラフ探しを手伝うことにする。
しかし、やがて、真理亜が持つリザレクターが盗まれる事件が起き……。
いわゆる“落ちもの”系で、主人公・慧とその男友達の性格と関係性は、
《小市民》シリーズを彷彿とさせます(慧のあだ名が「きつね」ですしw)。
また、人を縛る〈時間〉がテーマということもあってか、物語のトーンは一貫してシリアスです。
さて、本作のメインとなる“リザレクター盗難事件”ですが、容疑者が少ない上、
犯人特定に至るロジックの軌跡に不備があるため、フーダニットとしての面白み
はあまりありません。
注目すべきは犯人の動機(ホワイダニット)の方で、作中で語られる
ショッキングなリザレクターの“使用法”は、強烈な印象を残します。