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僕は、紛れもなく素晴らしい映画だと思っています。ひょっとしたらとんでもない勘違いをしているのでしょうか?
実は僕はDVDは買っていないのです。この映画が嫌いな人は「ほれ見たことか」と仰るかもしれません。でも、僕が買わない理由は、あの圧倒的な哀しさを何度も味わう勇気がないからです。だから記憶の中で何度も再上映をしています。そして、いつかは買いたいと思っている作品でもあります。
ネタバレをしないように気を付けますが、この映画が「強い者は強く、弱い者は弱い」というテーマを描いているのだとは思えません。むしろ、強い者がその力を発揮して復讐を行ったが、それは全く意味のない行為だったという逆の意味を持っているのではないでしょうか。
あまり映画と時代を結びつけるのは好きではありませんが、イラク戦争反対の映画、と読むことも可能ではないかと思います。復讐の無意味さ、というものをこれほど残酷に示したものはないでしょう。そういう意味では「許されざる者」と共通のテーマを持っているのだと考えます。
後味が悪い、というのは全く同感ですが、それは作品のクォリティが低いという意味ではないと思います。むしろ、もう涙も出せないぐらいに哀しい、ということでしょう。何といっても、この映画の主人公の行動は一貫して無意味なのですから、これほど身も蓋もない物語はないはずです。身を切られるような辛さは、そのまま観客の感想でもあるはずです。正視に耐えないほど哀しいという感覚は、正直言ってDVDを購入して何度も味わいたいという感想からはほど遠いと思います。ですが、それが作品の否定にはつながらないと思います。これほどまでに美しい哀しさをたたえた映画は稀でしょう。僕は傑作だと信じます。
皆さんのご意見を拝読して、「許されざる者」がそれほど人気がなかったことを思いだしました。意地悪な見方をすれば、僕ら日本人は悲しいお話が涙につながれば感動するのに、それが哀しさのまま持続し、ある意味で劇的なカタルシスにつながらないで静止したままの時、あまり喜ばないのかもしれません。確かに分かりやすい見せ場はなく、ひたすら重い映画でもありますが、その静謐さに感動してほしいと願います。
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