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ミシェル・フーコー: 近代を裏から読む (ちくま新書)
 
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ミシェル・フーコー: 近代を裏から読む (ちくま新書) [新書]

重田 園江
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

社会の隅々にまで浸透した「権力」の成り立ちを問い、常識的なものの見方に根底から揺さぶりをかけるフーコー。その思想の魅力と強靭さをとらえる革命的入門書!

内容(「BOOK」データベースより)

フーコーは、私たちが自明視する世界のありようを、全く違ったしかたで見せる。「価値を変えろ!」と迫るその思想の核心に、どうすればたどり着けるのか?本書は、最高傑作『監獄の誕生』を糸口にフーコーの全貌に迫ることで、その思考の強靱さと魅力と、それを支える方法とを、深く広く、生き生きと描き出す。正常と異常の区分を生み出す「知」の体系と結びつき、巧妙に作用する「権力」。そうした秩序が社会の隅々にまで浸透する近現代を、フーコーはどう描き、その先に何を見定めたのか。魂を揺さぶる革命的入門書。

登録情報

  • 新書: 269ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/9/5)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480066276
  • ISBN-13: 978-4480066275
  • 発売日: 2011/9/5
  • 商品の寸法: 17.5 x 10.8 x 1.3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 本書は、『監獄の誕生』を中心的に取り上げつつ、フーコーの思想を紹介しようとするものである。巻末には、参考文献や読書案内が添付されている。

 '1「フーコーの世界へ」では、本書の問題関心と構成について述べる。著者によれば、フーコーはその思想と活動を通じてものごとの価値を変えようとした。では、『監獄の誕生』はどのように価値を変えようとしたのか。さらに、それと前後してフーコーはどのような活動に携わり、『監獄の誕生』以降そこから来たテーマをどう展開したのか。本書はこれらの問題について取り組む。

 '2「身体刑とその批判」では、『監獄の誕生』第一部「身体刑」を中心的に取り上げる。『監獄の誕生』におけるフーコーの問題関心は、「(多様な刑罰の中で)なぜ監獄なのか」という古典的な問いにある。そして、「身体刑は野蛮」であるという従来の見方を疑問に付し、「物質的な」次元からこの問題に答えようとする。

 '3「規律権力」では、『監獄の誕生』第二部「処罰」及び第三部「規律」を中心的に取り上げる。フーコーによれば、刑罰に関して次の3つの体系があった。古典主義時代の身体刑、啓蒙主義的な刑罰、そして監獄である。そして、監獄が近代において主要な刑罰になった理由を、「規律」の「系譜」を辿ることで明らかにする。

 '4「近代国家と統治」では、『監獄の誕生』以降のフーコーについて、「規律/ポリス/国家理性」をキーワードに論じる。『監獄の誕生』において、「ポリス」は規律が浸透する機構の一つとして位置づけられている。しかし、フーコーはその後、近代国家の特異性を「統治性」の観点から研究する中で、「国家理性」という17世紀の議論を引き合いに出しつつ、ポリスと規律権力をその一部として位置づけるようになる。

 '5「監獄ふたたび」では、『監獄の誕生』第四部「監獄」と当時のフーコーの政治的活動を取り上げる。そして最後に、フーコーに取り組む難しさと魅力について述べる。監獄の効果はそれが導入された当初から疑問視されていた。それにもかかわらず、監獄は現在に至るまで主要な刑罰の場となっている。フーコーはその理由を、監獄の失敗を「別の次元での権力の戦略」として解釈し、ブルジョワジーによる政治的装置として説明する。

 以下、簡単な批評。
0) 「啓蒙主義の刑罰改革」や「監獄の失敗」に関する説明は非常に分かりやすく、有益である。フーコーを陰謀論として解釈することを批判しているところがよい。また、「日常性」から思考する重要性は納得できる。全体的に読みやすく良書である。
1) なぜ『監獄の誕生』なのか。本書では、フーコーがなぜ監獄を選んだかについて説明しているが、著者がなぜそれを選んだかについては明確に説明していない。『監獄の誕生』がフーコーにおいて重要な著作であり、それを通じてフーコーの多くを理解できることは本書を通じて納得できるが、だからといって我々にとっても重要であるとは限らない。
2) 古典主義時代について。本書では、古典主義時代をフランス革命以前の絶対王政期と同一視している。では、なぜフーコーはわざわざ「古典主義」という語を使用するのか。歴史学において古典主義時代という語はあまり一般的とはいえない。フーコー自身の時代区分が従来のそれとは異なっていることと関係しているのであろうが、本書はこの点に関してほとんど触れていない。
3) フーコー批判について。本書では、フーコーの示した歴史的変化は大まかな趨勢として歴史学において認められているという。しかし逆に言えば、フーコーは歴史的変化について過度の一般化、単純化をおこなっている。本書はこの点に関して、フーコーのアマチュア性を指摘するのみで批判的な検討はなされていない。
4) 「伝記」について。本書では、フーコーの性的嗜好や幼少/青年時代の体験を彼の思想と直接関連づけることを批判し、フーコーの著作を「現在」という同時代的な状況に位置づけることを主張する。なるほど確かに著者の主張は納得できるが、しかし「現在」と関わる過去の歴史の基準はどこにあるのか。すなわち、全体的なものと個別的なものとの関係をどう捉えているのか。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
面白い視点の新書であるし、意欲作であるのは間違いない。

ただ、著者自身が認めるところの「分かりづらいフーコーの思想」を、何とか分かりやすくしようと単純化をしすぎたためか、全体としてフーコーに関する「エッセイ」のような規模感の作品となっている点が非常に残念でならない。

あと、「フーコー大好き!」なのはいいが、フーコーの思想と向き合う、という意味においては、もっと冷静な視点にたつべきだったと思う。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
■企画として、本当に面白い。やろうとして、誰も手を出さなかった方法だ。哲学者という人たちは、きっと、このような方法は、恥ずかしかったのだろう。重田園江さん、やっちゃいましたね。
■この本のテーマは、権力がいかに、その時々の環境に効果的な「実用性」を行使してきたか、ということに尽きると思う。「自己規制」「自己洗脳」まで描いてくれると、もう少しエッジが立ったのではないかと思うけれど。
■読んでいくと、文革時代から今日までの現代中国や、アウシュビッツを巡る自己規制的言説、今努めている会社の経営者などを連想して、イメージの連鎖が尽きなかった。
■「ダミアンの処刑」というアイコンから始まり、規律性を巡る一連の論考は、本当に、自分のリアルと伴走して読めたので、本当に楽しかった。
■我が家には、昔買って読んでいなかった「ミシェル・フーコー―構造主義と解釈学を超えて」と、「ミシェル・フーコー―真理の歴史」「ミシェル・フーコー伝」「ミシェル・フーコー/情熱と受苦」が本棚にあったが、この本を読んでから、思わずすべてに目を通してしまうほど、スーパーチャージャな道具本であった。こういうのが「方法」としての入門書の極みではないか? まさにフーコー描く、権力の重力無き花園における実用性の発揮ではないか?
■ところどころ、恥ずかしげもなく、グダグタと言い訳しながら、書いているところもかわいいと思った。
■まさに「実用書」である。「ダミアンの処刑」のA1ポスターを、付録でつけると、もっとよかったのに。プンプン。浅田彰さんの「逃走論」「構造と力」もよかったけれど、重田式「ドゥルーズ」も期待しちゃいますね。
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